ハヤカワ・ミステリ文庫<br> 赤毛のストレーガ

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ハヤカワ・ミステリ文庫
赤毛のストレーガ

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  • サイズ 文庫判/ページ数 533p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784150796020
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

まふ

96
ニューヨーク暗黒街を舞台にしたハードボイルド小説で著者の第2作目。逮捕歴27回、重罪判決2回、少年院収容3回、未成年犯罪者宣告1回の無免許探偵という「暗黒街のサラブレッド」のような主人公バークがユニークな仲間たちと共に幼年ポルノを商売にする悪辣な連中を退治する物語。どの挿話も精密でリアルな描写であり、バークの「我が家」のごとき刑務所の「たたずまい」や日常なども詳述されてあたかもその世界に飛び込んだかのような恐ろしさと「次はどうなるの」という期待感を読者に与えて、読むほどに戦慄する。2023/04/08

眠る山猫屋

66
冒頭から臆病なほど用心深い全科27犯バーク、今回の相手は幼児ポルノの闇。現れる美女はマフィアの系譜・赤毛のストレーガ(魔女)。刑務所時代の因縁で仕事を押し付けられたバーク。過去を振り切って生きているはずのバークに絡み付く過去。わがままいっぱいに育ってきたストレーガはバークの対極のような存在だが、次第にバークの心をも侵食してくる。そう、読んでいると段々可愛く見えてしまうのだ。けれどストレーガに見え隠れする秘密と歪み。過去は簡単には断ち切れない。そしてバークは鎖に繋がれない。2023/02/27

くたくた

45
今回は性被害に遭った少年を助ける為にバークが奔走する。だけど、隠れた(隠れてないかも)テーマは、幼少時の性被害がどれだ酷い影響を残すか、という例を示すことかもしれない。異性関係を支配−被支配でしか捉えられず、自分の肉体を投げ出す事で相手を支配しようとする行動パターン。自分の価値をセックスにしか見いだせない。信頼や愛情を交わすことができない。人間としての成熟を阻害され、幼児性が顕在化している一方で、虐げられたこと、助けてもらえなかった事への怒りがいつも自分の中に渦巻いている。2018/08/21

タツ フカガワ

32
赤毛の美女からの依頼は、6歳の少年が強制的に撮らされた猥褻写真を取り戻してほしいというもので、アウトロー探偵バーク(逮捕歴27回)が個性的な仲間たちと繰り広げる物語は、場面転換も軽快かつ痛快でグイグイ読ませます。それにアイパッチ姿の著者ヴァクスの写真が、ついつい探偵バークと重なってしまう。25年ぶりの再読(当然内容は忘却)ながら、初読みのように楽しみました。2021/06/15

GAKU

29
前科27犯の探偵バークシリーズ第2作。1作目の「フラッド」で完璧にハマってしまい、シリーズ全作買ってしまいました。今回もバークは勿論、前作の登場人物達も良い味を出しています。とにかく作品全体に漂う、モノクロフィルムを観ているような雰囲気がたまりません。万人には受けないでしょうが、今まで読んだノアール小説の中でも私的には、一、二を争う非常に好みの作風です。翻訳されているのは後9作あるので、一気に読まずに少しずつ楽しみながら読んで行こうと思っています。2015/09/23

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