内容説明
ポターの懸命の交渉とメラニーの奮闘の結果、人質解放に光明が射した。逃走用のヘリコプターと引き換えに、犯人側が人質を何人か解放すると約束したのだ。だが膠着状態に焦った州警察が独断で工場内への突入作戦を開始してしまう。犯人側は作戦を事前に察知しており、最悪の事態を恐れるポターは、一縷の望みをかけてふたたび交渉に挑む!人質解放交渉の知られざる実態をリアルかつ斬新な手法で描く、新感覚サスペンス。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
naoっぴ
76
道徳観念が欠如した極悪非道の犯人ハンディとの交渉は難航を極め膠着状態が続く中、人質のひとりメラニーの勇気が冴える。上巻に続き緊迫した心理戦に目が離せない。事件のことだけでなく聾者の社会もしっかりと描かれ、またメラニーの家族との葛藤や心の変化などもわかり、物語にリアリティを感じる内容。後半、事件解決かとほっとする間もなく、すべてひっくり返る急展開にも驚愕した。ディーヴァー初読み、久々の家事放棄本でした(笑) ライムシリーズを是非読まねば!(≧∇≦)2016/07/02
ゆきちん
46
この読後感、虚脱?燃え尽きた。「冷血な悪魔」極悪非道な立てこもり犯ハンディとFBIのポターとの息つまるようなやり取り。聾先生メラニーの勇気ある行動。ページをめくる手が止まらない。犯人投降で事件解決かと思いきや急転直下まさかの展開。そしてあのラスト。虚脱だ。ディーバーは実は初読みさん。すごいね。2017/11/11
GaGa
36
下巻、残り100P以上残して、なんだもう解決か、と思った私はうっかりさん、これディーヴァー作品でしょうが!やはりどんでん返しが待っていた(というか毎度のパターンなのだが)初期の作品なためいささか強引な流れながらも、最後まで楽しませてもらいました。ただ、正直後味はあまりよくないです。2011/09/09
Tetchy
28
この交渉劇が単純に終わるものではないことはディーヴァー作品を読んだ方なら解るとおり、今回もどんでん返しはある。しかし今回は予想がついてしまったので、サプライズとしては弱かったのが残念。しかしどんでん返しだけがこの作品の魅力ではない。人質となった聾者という設定ゆえに成り立つサスペンスに特徴ある登場人物の数々。特に敵役のルー・ハンディは正にアカデミー助演男優賞を与えるべき存在感を誇る。ただ感想としてあと一歩といった感が残った。これからのディーヴァーに期待しよう。2011/05/12
bapaksejahtera
19
下巻に至り主人公のFBI交渉担当者が、定石通り犯人に対して懐柔を図る。未読だがフォーサイスのネゴシエーターと似た所があるようで、州警察が独自の工作を図るやら州の法務局高官がおかしなちょっかいをかけてくるやら、マスコミの過剰報道が犠牲者を生み出すやら混乱が生ずる。筋立てがゴタゴタしてくる。その間不思議にも、冷酷な犯人は次々に人質を手放す。ともかく読むのに余り興が乗らない。そのうちあっという間にどんでん返しの展開。多くの読者の評するように、本当に傑作なのか、不思議な気がして本を閉じた。2023/04/27