内容説明
元警察官の賞金稼ぎ、ルーベックの主治医、リズの夫。彼らはそれぞれの思惑を胸に、ルーベックを捕まえるべく、執拗な追跡をつづける。しかしルーベックは、狡猾な手口で彼らを翻弄、大嵐のなか一歩一歩着実にリズのいる家に近づいていった。追いつめられゆくリズの運命は?そして、そもそもの発端となったインディアン・リープ事件の真相とは?驚天動地の結末まで目が離せない、超絶のノンストップ・サスペンス。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
牙生えかけのサイコ
19
そして下巻。上巻を読み終えてからレビューも書かずに一気読みしたのでした。個人的には、一本背負いとまではいかなかったけれど、技あり!と言いたくなりました。結末は早い段階で予想がついてしまうものの、登場人物の嘘や不可解な行動、振り向いたらヤツがいる!的なサスペンススリラーっぷりが素直に面白かったです。ただ、序盤は話がなかなか進まず苦戦しました。2017/03/25
Tetchy
16
物語のキーとなる謎がインディアン・リープ事件、マイケルが唱える“イヴ”の意味。その事件は関った者の口から徐々に色んな新事実が明らかにされていく。しかしこの物語の反転はディーヴァーにしてはなんとも普通な感じがして仕方がない。ページの手を止めるような驚きもなく、なるほどねのレベルで終わってしまった。イヴの意味もあまり捻りを感じなかった。作者自身が作者人生の転機となった作品と述べたことで期待したが、その出来栄えは凡百のミステリと変わらず、寧ろそれまでのディーヴァー作品の中にもっと光るものがあったように感じた。2011/03/10
bapaksejahtera
14
妄想性の分裂症精神病者は、暴風雨の迫りくる中を超人的に動き回り、これを追う男たちを散々に振り回す。最終シーンは、主要メンバーが皆浸水を始める湖畔の家に集合するというもの。登場人物間で繰り返された色事のあれこれは、大逆転に終わった結末の重要な伏線だった。主人公たる狂える巨漢の真の来襲目的は。悪者は果たして誰だったのか。意外な結末。善玉には然るべき報酬。読後感の悪いはずはないが、それでも、私には冗長な作品に思えた。2021/06/21
Satoshi
10
ジェフリー・ディーヴァーの初期の作品。本作品からどんでん返しを多用し始めたらしい。ストーリーがシンプルなので、真犯人の予想はつきやすいが、息つく暇のない展開は楽しめた。前半の脱走した精神病患者を医者、賞金稼ぎ、主人公の夫がそれぞれの立場で追いかける描写は少し間延びしたようにも感じたが、全体的に楽しめた。2017/05/05
ハレ
9
上巻の終わりから下巻にかけてこの物語の肝となる過去の「ある事件」が明らかになる。事件に関わっているリズに会うため精神病院から逃走中のルーベックと彼を追う3人の逃走劇が下巻でも延々と描かれる。そしてリズの過去の話しも長々と。もういい加減飽きてきた頃に驚きの大どんでん返しが起きる!しかしながら長い話に私の心はもう萎えてしまってて全然驚かないのよ。作者はシナリオライターだったことがあると言う。冗長なのはト書きが含まれていたと思えば納得できるが、何だかとっても損した気分で読み終えた。 2024/12/28