ハヤカワ文庫<br> 季節の終り

ハヤカワ文庫
季節の終り

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  • サイズ 文庫判/ページ数 385p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784150784096
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

著名な銀行家ベルターの依頼は切実だった。最近、出生証明書が偽造されていたことが判明した、妻のポーラの過去を探ってくれというのだ。わたしは記録を調べ、ポーラが養子だったという衝撃の事実を突きとめた。が、彼女の育ての母親はまったく事情を語ろうとしない。やがてわたしの前に、埋もれていた過去の悲劇が浮かぶが…知性派探偵サムスンが、人々の記憶のなかから五十年前の殺人事件の真実をたぐりよせる第六作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

佐々陽太朗(K.Tsubota)

68
拳銃を持たず、いつも金に困っている、ごくふつうの探偵アルバート・サムスン。困っている人についつい寄り添ってしまう優しさもいつもどおり。ひと言で云えば誠実であること、それがアルバート・サムスンの規範である。今作でもその規範にちょっとだけ目をつむれば羽振りが良くなると分かっていながら、それをしない。痩せ我慢ではある。しかし損得では動かず、どう行動すべきかで動く。けっしてマッチョではなく、さらりとそれをやってのける彼がたまらなくカッコイイ。ハードボイルドだなぁと嬉しくなる。ハードボイルドは痩せ我慢の小説だ。2021/09/03

bapaksejahtera

12
スマートで心の優しい、しかし盛況とはいえない個人営業の探偵サムスンシリーズも第6作目という。この内5冊を読んだがいずれも外れはない。今回は妻と外国旅行を計画したが妻のパスポート請求に必要な出生証明書が不法な物で発行を拒否された人物から、経緯を探ってほしいという依頼。主人公は警察や新聞社等いつものルートに加え、協力的な人物に屡々遭遇する幸運もあり、順調に調査を進める。背景には戦中戦後の日系人処遇を巡る様々の事件があった。全体の構成がいつも乍ら頗る細かく、かつ破綻がない。但し整形手術をに関するプロットは疑問。2022/10/23

Madeleine

3
過去を調べて“真実”を伝えることが、依頼人の幸せになるのだろうか。出生証明書の偽造から始まる物語の辿り着く先は、新たな難題をサムスンに突きつける。またまた探偵事務所の移転の危機もあり、次作も楽しみ。2022/11/29

Ayah Book

3
知性派探偵という謳い文句の通り、とても感じのいい主人公。海外ドラマのような展開で中々面白く読んだ。2016/03/13

oskrt

2
シリーズ六作目だが、面白かった!!!休みなのに我慢できずに読んだのは久しぶり■いつも通り地味な依頼なのにどんどん引き込んでいく筆の力はすごい。テレビのインタビューや親友の刑事、事務所の移転など色んな話をちりばめてるがミステリとしての謎解きも深い。話が終わってほっと納得するものの、すぐ次の話も読みたくなるのは設定の力ですね。宮部さんが目指す杉村君はこういう物語なんだね2019/03/02

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