内容説明
泥棒稼業もすっかりご無沙汰、私は古本屋の主人としてまっとうな暮らしをしていた。が、店の大家に法外な家賃をふっかけられ、その費用を捻出すべく、やむなく泥棒稼業に逆戻り。首尾よく高級アパートに忍び込んだものの、そこの浴室に男の全裸死体が!さらに、高価な野球カードを盗んだ濡れ衣まで着せられ…野球カードと古書にまつわる薀蓄をまじえ、小粋な泥棒探偵バーニイが縦横無尽に活躍する、シリーズ話題作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tetchy
59
なんと前作から11年ぶりの作品。ブロックによれば彼の中にはいつも登場人物が住んでいるらしく、彼らが時々現れて新たな物語を教えてくれるとのことだ。野球カード盗難に纏わる物語は二転三転、四転五転していく。登場人物の相関関係が複雑に絡み合い、これらが綺麗に繙かれるのかと心配するが、ブロックは最後の大団円で、バーニイは関係者を集め、推理を開陳する段になって、全てが鮮やかに解き明かされる。それも美しいロジックで。しかし野球カードの世界は深い!文庫で読めるのは本作までで非常に残念。そしてシリーズ全作が絶版とは。2015/10/28
めがねまる
17
10年以上前に読んだものの再読。当時は軽いユーモアミステリ(?)が好きで、怪盗ニックや泥棒ドートマンダーものを愛読した。これもその一つで、表向きは古本屋の店主で時には天才的な泥棒、バーニイ・ローデンバーの活躍する軽妙なシリーズ。活躍と言っても、盗み先で慌ててクロゼットに隠れたら殺人事件が起き、出てきたら犯人にされていたり、今回は手強い鍵を躍起になって開けたら死体があったり、何かと不運。どこかのウェストレイク産の泥棒を彷彿とさせるけど、バーニイは基本的に一匹狼。ドート何とかさんより飄々としたきっといい男だ。2016/03/30
bapaksejahtera
8
以前このシリーズを読んだが前作後作の順は分からない。但し全体にあふれる諧謔と薀蓄披露は同じだし、最後に警官も含めて関係者を集めて謎解きをするという趣向も記憶している。今回はアメリカ人に人気のある野球カードを巡る話題で面白くはあるのだが、私には少し味が濃すぎるようだ。2020/10/30
pyonko
4
泥棒バーニイ第六作。原題"The Burglar Who Traded Ted Williams"。今度のコレクションは野球カードである。子どものころよりも自由が利く分、大人になってから収集物にはまると際限がなくなりそう。スー・グラフトンのタイトルをもじった言葉遊びが地味に面白い。良い意味で軽くゆるく読めるシリーズ。2014/09/24
kanamori
2
☆☆☆ 再読2024/12/24
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- 和書
- 14歳の恋 〈7〉