内容説明
酔いどれ探偵ミロは、当てにしていた遺産を持ち逃げされた。犯人の銀行屋に復讐を誓い、テキサスに隠れていたシュグルーとともにキャディラック・エルドラド、通称“けもの”に乗りこみ追跡を開始。だが、謎の刺客と死体の山が二人の調査を妨害する。逃亡した銀行屋とかつてシュグルーを殺そうとした一味に繋がりがあるようなのだが…二大探偵による夢の競演が遂に実現!混沌と猥雑に満ちたハードボイルドの金字塔。
著者等紹介
クラムリー,ジェイムズ[クラムリー,ジェイムズ][Crumley,James]
1939年、テキサス州スリー・リヴァース生まれ。ジョージア工科大学を卒業後、兵役を経てテキサスA&I大学に進み、続いてアイオワ大学のライターズ・ワークショップに学んだ。69年にヴェトナム戦争を題材にした『我ひとり永遠に行進す』で作家デビュー。その後、酔いどれ探偵ミロ・ミロドラゴヴィッチを主人公とした『酔いどれの誇り』、探偵C・W・シュグルーを主人公にした『さらば甘き口づけ』など、寡作ながら高水準のハードボイルドを送り出してきた
小鷹信光[コダカノブミツ]
1936年生、早稲田大学英文科卒、ミステリ評論家、翻訳家、作家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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goro@the_booby
42
長かった。ストーリーを追うのに疲れるけどこれは何だかそんな事は関係ないような小説だ。セリフや描写を楽しめばいいんじゃないか。久々のクラムリ―で途中すっ飛ばしてる身としてはお手上げだぜ。味わう物語でありました。2018/07/31
キクチカ いいわけなんぞ、ござんせん
28
酔いどれ探偵ミロと、更に酔いどれ乱暴なカウボーイ探偵シュグルーとのコラボ作品。シュグルーは自分を半殺しにあわせた者を追い、ミロは自分の財産をだまし取った元銀行員を追う。誰かを訪ね当てるたびに、死体となる。面倒見が良くて、気が強い美しい女が現れて、二人の若くはない男たちを籠絡する。ウイスキーとチェイサーのビール。運転しながらのコカイン。悪者どもとのどちらがタフかの、気が狂った様な試み。いやもう、胸いっぱい。タランティーノの映画になったら見よう。しばらくはこの作品を忘れたい。2018/07/06
Ayah Book
13
いつものように順番飛ばして読んじゃったので、ちょっと意味不明だった。ただでさえ読みづらい本なのに。肝心のキャラ、シュグルーを知らなかったから致命的。クラムリーさんは好きなんだけど、主人公ふたりともハードボイルドすぎてちょっと苦手かもしれないと初めて思った。ディテールが細かい割には、ロリアンの正体とか大事なところは結構大雑把。2020/03/23
タナー
9
大好きだが寡作なことで知られるハードボイルド作家だ。残念ながら2008年(だったかな?)に亡くなっているので、もう新作を読むことは出来ない。この作家はハメット→チャンドラー→R.マクドナルドという所謂正統派ハードボイルドに属すると言われているが、そんな数多い作家の中でもひときわ個性が強い。そんな彼の作風は彼が創造したキャラであるミロやシュグルーの、荒くれもの的な性格にも表れているように思う。この作品は、そんな二人の探偵が競演する、クラムリー・ファンにはタマらない1作。久々の再読。 2021/12/29
Satoshi
9
久しぶりにジェイムズ・クラムリーのハードボイルドを読んだ。本作はミロとシュグルーという二人の主人公が交互にストーリーテラーとなることにより、独特の世界観を醸し出している。本作は一貫したプロットがあるのではなく、ダメ人間2人が女と出会い、随所で暴力が引き起こされる。主人公二人が事件の結末に寄与しているようには見えず、ただ流されるがままに出会った人物を事件に巻き込む。最後の解説に本作は西部劇であり、サム・ペキンパーのワイルドバンチのオマージュだと書いているが、納得させられた。2018/04/06
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