内容説明
朝もやの中に浮かびあがったのは、朱に染まった緑色のシャツを着て、十字架に磔にされた男の姿だった。弁護士である私、レベッカ・シュワルツは、イースターの日の出礼拝を取材する恋人の新聞記者ロブと一緒にデイヴィッドスン山に来て、死体を発見したのだ。男の名はサンチェス。旅行者だった。捜査は混迷し、やがてロブのもとに1通の手紙が届けられた。わが愛するサンフランシスコへの復讐のため、旅行客を殺し続ける、という殺戮の予告だった。観光の街サンフランシスコを舞台に、冷徹な復讐鬼の正体を追う女弁護士の鮮やかな活躍を描く。