内容説明
新任の犯罪捜査部長ニムロド・フロストがレストレイドに命じたのは、なんとも不可解な事件の捜査だった。なぜか60歳以上の老人ばかりが次々に殺されていくのだ。ガス灯のロンドンから霧に覆われたコーンウォールの荒地へ、さらには煤煙のたちこめる紡績都市マンチェスターへ―。レストレイドは姿なき殺人者を追い、隠密捜査を続ける。はたして殺人者の狙いは何か?やがて、殺された老人たちをつなぐ糸が見えはじめるが…。犯罪とロマンの香り豊かな時代、19世紀末のイギリスを舞台に、レストレイド警部の新たな冒険を描く、著者会心の第2弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鐵太郎
6
イギリスの歴史に名高い「軽騎兵の突撃」の、輝ける愚かしき日から39年後、事件は起こります。1854年10月の悪夢から生き残った男たちが、ひとりまたひとり、殺されていきます。犯人の目的は? 正体は? フリーメイスンなど足元にも及ばない秘密組織、「黄金の夜明け」とは何か? 初めてクリミア戦争の中で起きた愚かしき栄光を知りました。さえないレストレード警部の活躍はいかに。しかしこいつ、なぜもてる?(笑)
mercury
2
地震で倒壊した本棚から発掘。クリミア戦争のバラクラヴァの戦闘場面から始まる連続殺人事件をご存知レストレイド警部がパワフルに解決してゆく。丁度、ホームズが滝から落ちて死んだと思われていた時期で、ワトスンとか、チャーチルとか、ブラム・ストーカーとか虚実入り混ぜて当時の人々が出てきてそれも面白い。登場人物がとても多くて、ところどころ訳が判らなくなって前に戻らなくちゃ行けなかった私の集中力が残念。平時だったらもっと楽しめただろう。2011/03/30