内容説明
「スペンサー、レイチェル・ウォレスが誘拐された。すぐに来てくれ」出版社からの電話はクリスマス気分を吹き飛ばした―それより2カ月前、スペンサーは同じ出版社の依頼で、ある女性著作家の護衛についていた。だが女性解放論者であり、かつレズビアンであることを公言する彼女とは肌が合わず、やがて彼女と衝突したスペンサーは解雇されてしまったのだ―その女性、レイチェル・ウォレスが過激派組織に誘拐された!彼らの目的は?彼女は無事なのか?単身レイチェルの足跡を追うスペンサーは、大雪に閉ざされたボストンの街を走る!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Kircheis
287
★★★★☆ スペンサーシリーズ第6作目。 ここに来てチャンドラー的な作風に原点回帰したような気がする。苦悩し、大人数を相手にボコボコにされ、それでもタフに目的に向かって邁進する姿はマーロウぽい。 レイチェルの強烈なキャラもあり、中盤までは最高傑作になるのではと思えるほどのめり込んだが、犯人がザコ過ぎる上に何がしたかったのかも良く分からず、最後は尻すぼみだったように感じた。それに、結局女性は男に守られてるのが幸せだというようなラストにもモヤモヤ。 まぁラスト以外は最高なのでお勧め度は高いんだけどね。2022/10/06
bookkeeper
55
★★★★★ 初読。女性解放運動の闘士である作家レイチェルの護衛を依頼されたスペンサー。反りが合わず解雇された後彼女が誘拐されてしまい、スペンサーは冬のボストンで捜索を開始する。 遅れて生まれてきた騎士に例えられるほど男性としての保護意識満載のスペンサーと、彼が体現する"ようなもの"と闘ってきたレイチェル。一方で無理解な同性から受ける仕打ちにも傷つけられてしまう状況など、枯れた文体の中で丁寧に描かれています。2人の間で自然体で振る舞えるスーザンは素晴らしい。格好いいなあ。「あんなやつらに負けちゃだめだ」2021/07/18
GAKU
55
スペンサーシリーズ第6作、再読。女性解放論者でレズビアンの作家、レイチェル・ウォレスのボディガードを依頼されるスペンサー。だがお互いに合わずスペンサーは解雇される。その後レイチェルは過激派に誘拐。単身スペンサーはレイチェルを救うためにボストンの街を走る!数多いスペンサーシリーズの中でも、個人的には上位に入る好きな作品です。前半のレイチェルとマチズモの象徴のようなスペンサーとの対立が面白い。さらに解雇されてもレイチェルを救おうとするスペンサーの行動規範と、レイチェルのスペンサーに対する心境の変化が面白い。⇒2021/07/17
背番号10@せばてん。
26
1988年11月20日読了。スペンサーシリーズ第6弾。ロバート・B・パーカー、2010年永眠。自分に多大なる影響を与えてくれた、巨星に心より合掌。(2024年9月12日入力)1988/11/20
田中
26
シリーズ6作目は、いちだんと面白かった。堅強な理論主義をメディアで訴えるレイチェル、職業柄荒っぽくなる実践派スペンサー。女性解放論者レイチェルの合理的な行動様式は、スペンサーが腕っぷしの強さで解決をはかるのが許せない。互いに相克する感情をもつ。血を流す激烈な「仕事」をやってのけたスペンサー。使命心があったからこそ彼女を救出できたのだ。助けてもらったレイチェルの、ゆらぐ心のうちの戸惑い感に微笑む。「理」も大切だけど、「情」で動くから困難さを突破できるのかもしれない。そんなことを考えさせられました。 2019/02/04
-
- 電子書籍
- 恋人交換 ~17歳の夏、私たちは誰にも…
-
- 電子書籍
- 商人令嬢はお金の力で無双する2【電子書…
-
- 電子書籍
- スカラムーシュ・ムーン(新潮文庫)【電…
-
- 電子書籍
- HRでつかまえてっ 2 クイーンズコミ…




