感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
藤月はな(灯れ松明の火)
37
読書メーターに記録して3000冊目がこの本です^^翻訳に行き詰まったことから「気分転換に田舎の選挙に出てみよう」と思い立った大学教授のフェン。保守派が優勢で勝ち目がない選挙活動に悪戦苦闘する中、しかし、チョコレート毒殺事件を捜査していた親友の刑事が殺されてしまった・・・。露出狂、穀つぶしと言われるピンクの豚、癖のありすぎる推理作家、勝気なタクシードライバーの美少女、フロイトに凝り固まりすぎて逆に医者を呼びたくなるほどの精神科医、はたまた牧師の妖精など入り乱れて大混乱!になると思いきや見事な伏線の回収に拍手2013/04/18
geshi
21
フェン教授の選挙運動と殺人事件の総ざらいとがパックリ分かれているストーリー。選挙に向けて守るつもりのない耳障りのいいマニュフェストを作り、対立するグループをどちらの肩も持たずに褒める、誠意の欠片も無い選挙戦術に現代と何ら変わらぬものを見て皮肉に笑ってしまう。選挙に関心を持たない選挙人をブッタ切る最終演説が名調子で最高。ミステリとしても意外性を出しつつ手掛かりの伏線や会話の表裏一体など細かい部分に気が配られていて、綺麗にまとまっている。2018/05/27
本木英朗
16
英国の本格ミステリ作家のひとりである、エドマンド・クリスピンの長編のひとつである。俺は2002年に2回続けて読んでいて、今回で3回目だ。大学教授の素人探偵ジャーヴァス・フェンは筆休めのため突如下院議員に立候補することを思いついた。選挙区の農村に戻り、さて選挙運動にと取り掛かった折しも、平和な村には殺人事件の騒動が持ち上がっていた――という話である。しかも2件の被害者が出てるってことも含めて、俺はまったく忘れていたから、ただただ名探偵ジャーヴァス、そして作者の名推理を見るしかないってば! 大満足でした!!2024/08/13
けいちゃっぷ
13
ふとマケプレを見てみたら結構なお値段ですな。 田舎のブックオフよ、クリスピンとランドル・ギャレットに関してはありがとう。 気分転換に下院議員の補欠選挙に立候補したフェン教授。 さっそく選挙区のど田舎町を訪れるが、彼を待っていたかのように殺人事件が・・・。 奇人変人のオンパレードで誰が誰やら状態でしたが、さて事件と選挙はうまく片付くでしょうか。 フェン教授の落ちんがための選挙演説が逆に真髄をついていて面白かったし、ミステリとしてもなかなかの拾い物でした。 279ページ 2016/08/22
koo
8
昔途中で挫折したクリスピン初読です。オックスフォード大教授フェンを探偵役としたシリーズ第6作は選挙に立候補したフェンが選挙活動の為に田舎の選挙区に滞在中に連続殺人事件に遭遇し暇つぶしに事件を捜査するストーリーでした。隠れた本格の佳作と言っていい真相でしたがクリスピンの独特なユーモアが自分には合わずくすりとも笑えないですね。本当は「探偵が選挙に」「選挙活動中に殺人捜査」という設定からして笑い所なんでしょうけど。ただ伏線の張られた真相が解明される終盤は楽しめましたしそれまでの苦行の読書が報われました(笑)2022/08/25