出版社内容情報
復刊希望アンケート第一位! 科学的魔術が進化した世界で起こる奇怪な事件3篇を収録
内容説明
英仏帝国による統治が長く続き、科学的魔術が発達した世界。たぐいまれな推理力をもつ捜査官ダーシー卿と上級魔術師のショーンは彼らでないと解決できない特殊な事件の捜査にあたっていた。隣国の工作員を追っていた国王直属エージェントが失踪した事件、棺の中から青く染められた死体が発見され、秘密結社の暗躍が疑われる事件―架空の欧州を舞台にした名作本格ミステリの新訳版。3篇収録の中篇集。
著者等紹介
ギャレット,ランドル[ギャレット,ランドル] [Garrett,Randall]
1927年、ミズーリ州レキシントン生まれ。多くのペンネームをもち、SFやミステリを執筆。代表作は、科学的魔術が発達した世界で捜査官ダーシー卿と魔術師マスター・ショーンが活躍するシリーズで、SFミステリとして高く評価されている。1987年没
公手成幸[クデシゲユキ]
1948年生、1972年同志社大学卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
- 評価
適当に購入した物本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
セウテス
80
【ダーシー卿シリーズ】第1弾。〔再読〕日本では本作が後の発行の様だが、シリーズは此方の短編集が先らしい。科学の代わりに魔法が発展したパラレルワールドの現代ヨーロッパが舞台である。そのフランスで、魔法は使えない主任捜査官のダーシー卿と、魔法使いのマスターショーンがワトソン役というコンビが絶妙なミステリだ。魔術といっても鑑識作業の様な使い方で、全くのファンタジーでは無い所は興味深い。しっかりとこの世界の論理や、推理建てる構成など、作り込まれた設定が中々楽しめる。3つの短編どれもが、最後まで油断出来ない良作だ。2020/12/08
雪紫
59
魔法が発達し、スパイも暗躍するパラレルワールドの英仏帝国を舞台にした魔術ミステリ短編集。最初の話のあの真相から「よし、この本は当たりだ!」と確信し、その期待は最後の話まで裏切られることはなかった。ダーシー卿とマスター・ショーン、ナイスコンビ。これは長編の「魔術師が多すぎる」の復刊や他の短編をまとめてくれること、切に希望。2021/03/21
さつき
56
リチャード獅子心王が若死にせずプラタジネット朝が続き英仏大帝国が栄えるパラレルワールドを舞台にした謎解き。探偵役はダーシー卿。相棒はワトソンならぬ魔術師のマスター・ショーン。細部まで凝った世界観が面白く、もっとシリーズを読んでみたいです。すぐに入手できるのは今作くらいなのが残念。2025/03/20
たち
49
面白かったです。パラレルな世界の話なのですが、違和感を覚えませんでした。捜査官ダーシー卿と魔術師ショーンのコンビは最高で最強です!特に好きなのは、ダーシー卿の華麗な(?)立ち回りシーンと、マスター・ショーンが魔術師のお仕事をしているところですね。続編を是非、読みたいです。2018/10/15
geshi
43
ファンタジーとミステリの融合が50年前にあった事に驚き。魔術が発達したIF世界でも、何でもありではなく、この世界ならではの公理に基づいた論理を駆使する正統派の本格。『その眼は見た』解決場面で容疑者達の行動が暴かれていく所が黄金期的。題名の意味がラストで印象深い。『シェルブールの呪い』スパイものの色合いが強め。そっくりの死体の理由がお見事。『青い死体』謎解きミステリとしては一番。青い死体の謎を解く伏線と、隠された犯罪の露見。これぞ本格推理の愉悦。2015/11/07