感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
セウテス
79
【ダーシー卿シリーズ】第2弾。〔再読〕魔術が発展し、社会の要職を魔術師が占めるパラレルワールドの現代ヨーロッパ。魔術師の大会がロンドンで開かれる直前、ホテルに滞在中の主任魔術師が殺害される。部屋は内から魔術師本人でなければ、開ける事の出来ない魔法で施錠されているのだ。特に本作のみがシリーズ唯一の長編なので、この魔術を当たり前とした世界観の愉しさが、もっと解りやすいと良いと思う。トリックは何処で読んだ類似ものだが、伏線がしっかりしていてフェアに推理出来るのが納得。ミステリとして、丁寧な作品だと感じられる。2020/12/06
けいちゃっぷ
10
こちらは長篇。 そのため、密室殺人・英仏帝国とポーランドとの確執・スパイ・秘密兵器などがでてきて、いささか冗長ではあったが楽しめました。 魔術がどこまでできるのかが把握してないので面食らうところもありましたが、あくまでも補佐にとどめているのですね。 傑作かどうかは微妙ですし密室殺人の解明も脱力ものでしたが、久住四季の『トリックスターズ』も魔術を使っているそうなので、そちらも楽しみ。 347ページ 2016/09/02
Masa
8
読了。ああ、やっぱり読んで良かった。『魔術師を捜せ!』が大好きだから若干贔屓目のフィルタかかっているかもしれないけれど、本当に面白かった。ミステリとして、とかSFとして、とかもうどうでもよくて、ダーシー卿とマスター・ショーンに長編で出会えたっていうだけでもう大満足。序盤では、「これ、どんな物語になるの!?」と思ったけれど、マスター・ショーンの見せ場も多くて大変良かった。『図書室の魔法』でも登場した本作。一生大事にします。2016/03/27
星屑の仔
4
ミステリとファンタジの融合作品は、こうも私の胸を高鳴らせるのか。理性による論理的推理展開に魔法はご法度でも何でもない。制約が存在し、その内容がきちんと明記されているファンタジミステリは、むしろ通常の謎解きをへんに収縮させることもなければ、無駄に拡散させることもない。この塩梅が難しいんだよなあ。でもこれはそれをいとも簡単にやっちゃうんだよなあ。2016/12/29
びびとも@にゃんコミュVer2
4
図書館本:ちょっとまどろっこしい感じもするけど、面白いミステリーだった。なんといっても、魔術師と現代ヨーロッパ(でも、かなり古い。夕飯を食べるのに、イーブニングに着替えるような時代。全体的にとっても優雅)の取り合わせが、すごく好み。科学技術と魔術が混在している世界が面白い。最初、特に説明もなく架空の国名や人物名がたくさん出てくるので混乱するけど、けっこうさくさく読める話でした。魔術師見習いでもある公爵未亡人がとてもチャーミング。2012/11/10