ハヤカワ・ミステリ文庫
九時から五時までの男

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  • サイズ 文庫判/ページ数 309p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784150719555
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

サラリーマン同様にスーツ姿で9時から5時まで勤めるキースラー氏には、妻にも言えない秘密がある。いつものように仕事先に赴いた彼はおもむろに手袋をはめ、用意した包帯をガソリンに侵していった…氏の危険で魅惑的な仕事ぶりを描いた表題作ほか、高齢化社会の恐るべき解決法を提示した「ブレッシントン計画」、死刑執行人が跡継ぎ息子に仕事の心得を伝える「伜の質問」など、奇妙な味の名手が綴る傑作揃いの全10篇。

著者等紹介

エリン,スタンリイ[エリン,スタンリイ][Ellin,Stanley]
1916年ニューヨーク生まれ。ブルックリン・カレッジ卒。46年に「特別料理」でEQMMコンテストの特別賞を得てデビュー。55年に「パーティーの夜」、57年に「ブレッシントン計画」で、2度にわたりアメリカ探偵作家クラブ賞最優秀短篇賞を受賞し、異色短篇の名手として知られる。また、59年には『第八の地獄』で同長篇賞にも輝く。86年没
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感想・レビュー

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藤月はな(灯れ松明の火)

71
スタンリイ・エリンが贈る奇妙な味わいの短編集。「ブレッシントン計画」と「七つの大徳」はラストにゾク。因果は廻るのかしらね・・・。「いつまでもねんねえじゃいられない」は犯人にも、主人公の事を本当に心配しない家族に薄ら寒さを覚えずにいられない。それを呑みこんでいくのか、立ち向かうのか。「運命の日」は少年の正義感と未来への希望や幻想が打ち砕かれたある出来事が少年の運命を決定づけてしまった事が只々、遣る瀬無い。そして「倅の質問」では義務を果たさずに権利だけを求める現代人、彼らを密かに支える人々の本音が突き刺さる。2017/01/07

星落秋風五丈原

29
「九時から五時までの男」判で押したような生活を送る男の秘密。「ブレッシントン計画」確かこの前TVで見た藤子F不二雄さんの短編にも似たようなのがあった気が。「不当な疑惑」のヒロインめっちゃ不憫。こわい子だ。『倅の質問』子供鋭いな。2023/08/23

本木英朗

22
米国の短編作家、スタンリイ・エリンの中でも、一、二を争う出来栄えを誇るのが、この『九時から五時までの男』である。サラリーマン同様にスーツ姿で9時から5時まで務めるキースラー氏には、妻にも言えない秘密がある。いつものように仕事先に赴いた彼はおもむろに手袋をはめ、用意していた包帯をガソリンに浸していった……という表題作ほら、いろんな短編が納められている。いやー、これは面白いし、すごいし、怖いし、とにかく買うしかないってばさあ。奇妙な味の名手が綴る傑作ぞろいの全10編である。満足。2019/07/07

Ribes triste

20
ダークだけれどドライな感じが小気味いい短編集。そしてユーモアのセンスが心憎い。2021/07/30

三平

20
約1年をかけて1つの短編を紡いでいった短編職人による第2短編集。前作と比べてミステリ色は薄くなっているが、逆にミステリにとどまらない奇妙な味の作品が味わえる。教師を翻弄するよくある悪魔的な子の話と思いきや最後に違う風味を加える『ロバート』、ある一人の少年の性質と人生を大きく変えた一日の出来事を描く『運命の日』、ナイフのような鋭い一言で人の本性をえぐり出す『倅の質問』が特に素晴らしかった。練りに練った展開、ウィットに富んだ台詞。 面白い短編小説が読みたい?では是非エリンを!と自信を持ち即答できる安定感。2015/08/06

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