感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
じゅん
4
★★★★☆渋く写実的な探偵小説としておもしろかった。本書の特徴は、なんといってもリアルな職業としての探偵にある。はっきり言ってめちゃくちゃ地味で、捜査の動機もものすごく個人的な問題なのがおもしろい(バークリーの『試行錯誤』における自己告発裁判みたいな感じ)。絶対つまらなくなるはずの地味な汚職捜査でここまで読ませるのは、やはり人間描写が光っているから。エリンの作品では主要人物がコンプレックスをいだいていることが多く、本書でもその魅力が遺憾なく発揮されていた(だから真相もけっこう驚く)。いぶし銀の秀作。2016/09/06
ボブ
2
エリンは評価高いんですよね、汚職警官、ダフ屋、検事局とボスの癒着、探偵事務所の経営問題、凄く地味な作品なんですが、アメリカ社会、そこで生きる人間の悩み苦悩が良く書かれていて、かなり面白い。2022/07/25
フレドリック・バークリー
2
「第八の地獄」とはダンテの神曲の引用で盗人やペテン師などが呻吟する地獄のこと。私立探偵を現実的に描いており、ミステリーというより文学色が強い。バルザックの作品群を連想させる2011/09/28
mordidaman
1
マイベストの作品です。初めて読んだのは学生の時、早川ミステリ文庫の初期に発売と同時に購入しました。ミステリーといえば本格でハードボイルドは食わず嫌いでしたが、どこか絵空事の本格物とは違うリアルな小説でたまたま主人公が私立探偵だったという趣です。兎に角上手さが際立つ作家です。
渋谷英男
1
古書¥1,900 私立探偵小説みたい☆3.52014/12/27
-
- 和書
- まひまひつぶり - 歌集