感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
セウテス
58
探偵ネロ・ウルフシリーズ第4弾。〔再読〕調査はアーチー達に任せて、もっぱら自宅事務所の中で、推理と食事と蘭を育てているウルフが外に出た。行き先は殺人事件の現場である、高級デザイナーズショップである。たいへん珍しいスタートだと思っていたら、ウルフの事務所でも毒殺事件が起こってしまう。本シリーズはウルフは事件の概要から犯人に気づいており、その証拠品をどうして集め、どうやって犯行を認めさせるのかが見処の一つとなる。隠れた謎も中々だと思うが、テンポ良い会話や展開が魅力。だが翻訳者により、違いが有り過ぎるのは残念。2016/11/24
のざきち
14
NY一流の婦人服店で起きたモデル毒殺事件。そしてその店の経営者がウルフ宅でまたも毒殺。事件を解く鍵はその経営者が言い残した「赤い箱」にあるようだが…派手なトリックやロジックは無いが、美食家探偵ネロ・ウルフと相棒アーチー・グッドウィンとの軽妙な会話が今回も楽しい。それにしても何故スタウトは日本で人気薄なんだろう…未訳作品も多いがせめて新訳されないでしょうかね。2020/04/22
不自他
8
6番目に読んだネロ作品。華麗な解決とはいかなかった事件。犯人の悪運が災いしてネロ・アーチーが歯痒い思いをしたりミスを犯す。アーチーがネロの発作(仕事への無気力状態)を食い止めた貴重な事例。ネロが仕事を途中で放棄していたら、警察や関係者が激怒してネロファミリーの危機が訪れただろう。余談だがチャーミングなお抱え料理人・フリッツとアーチーの小気味よい会話が毎回楽しい。4作目/長編33冊(Wikipedia参照)。2018/03/06
雅
3
肩肘張らずにハードボイルド2017/09/26
ぼくねこ
2
最初っから最後までずっと面白い。1章ごとに新たなサプライズと発展と事件があり、中弛みも全くないままラストまで突っ走る名作ミステリ。ミステリの核は小粒で、登場人物に仕掛けらた謎も想像の範疇を出ないが、それらを補って余りあるウルフ、アーチー、クレイマーのエネルギッシュでユーモラスな描写が最高。2018/07/27