内容説明
脅迫電話に悩む女優が、主演する新作ミステリ劇『ロマンス』そっくりの状況で通り魔に襲われた。幸いにも軽傷で済み、舞台はマスコミ注目の的となる。が、翌日、彼女は自宅で惨殺体となって発見された。脅迫者に怯える彼女がなぜ扉を開いたのか?87分署のキャレラとクリングは知人による犯行と断定し、劇団関係者に的を絞って捜査を開始した。愛憎渦巻く演劇界の殺人に、クリングのロマンスをからめて描く巨匠の会心作。
著者等紹介
井上一夫[イノウエカズオ]
1948年慶応義塾大学文学部卒、英米文学翻訳家
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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背番号10@せばてん。
13
2005年6月1日読了。87分署シリーズ第47弾。エド・マクべイン、2005年永眠。自分に多大なる影響を与えてくれた、巨星に心より合掌。2005/06/01
bapaksejahtera
12
87分署シリーズ最後の在庫として大事にしていた本。Wikiに56ある全作中47番目で、初期の作品にあった緊張感がやや薄れ文章には流した処が多い。著者の作家生活における原作者と台本、監督との間の行き違い等がかなり反映しているのも一種の遊び。キャレラ刑事が捜査の中心だがNYに仮託した多くの地名にまごつきつつも、88分署デブのオリーや市警殺人課のモノハンとモンローの凸凹コンビも登場して、久々の読書が懐かしい。クリング刑事が黒人の上級医官と恋に落ちる発端編で、事件の背景の劇中劇「ロマンス」配役の取合いを掛けている2024/05/08
もぐもぐチョビたん
4
87分署シリーズ♪女運の悪いクリング刑事に新しい恋人現れる( ̄∇ ̄*)今度こそうまくいくといーなぁ。久々にオリーがいたと思ったら反抗期を迎えている(笑)83分署じゃなかったのか。モノハン&モンロー珍しく後半に出てきて苛められていたのが新鮮だった。黙殺がきくんだね。2013/06/03
ダイスケ
4
事件その物は単純で捻りはない、いつも恋で悲惨な目にあうクリングの新しいラブ・ストーリーがメイン 途中でラブシーンがあって、代名詞しか出てなく誰だかわからない、クリングかな? 手早すぎだよって思わせておいて結局はキャレラだったり、事件の関係者だったり そこがマクベインの悪戯好きなところ(笑) 2012/03/18
八百蔵
1
人種差別が日常のアメリカの大都市アイソラにある一警察署の刑事小説。刑事個々のキャラクターが立っており、井上一夫の翻訳が恰好良い。久々に未読のものを読んだら、なんだかアイソラに帰ってきたような気がした。本書は初期のものよりサスペンス色はかなり薄れているような感じがする。2020/01/16