感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ホームズ
15
殺人が起きず密室で動かされる騎士の盃の謎。マスターズ警部が殴られるくらいでミステリとしては少し退屈。しかしウッドハウスのドタバタなコメディでも読んでいるような展開は面白いかな(笑)イタリア人の歌の教師や民主主義を愛するアメリカの下院議員、H・Mを刑務所に入れようとする女史など登場人物たちが個性的で楽しめました(笑)2012/08/12
Ribes triste
12
最後まで大笑いしながら読了。ディクスンが、PGウッドハウスばりのこんなドタバタ長編を書いているとは知りませんでした。HM卿シリーズのファンには、めでたしめでたしの最終話でした。2016/08/23
**くま**
11
H・M最後の作品。事件はカーといえばの密室、家宝「騎士の盃」はなぜ盗まれたのか、ではなくなぜ盗まれなかったのか、という変わった謎。密室の中で盃の位置は動かされているのに・・・。特にすごいトリックや目新しい趣向はないけれど、H・Mならではのドタバタ喜劇満載で安定の面白さ。ヒロインが童顔小柄のロリ系美女でありながら子持ち人妻というのは新しいかも(笑)。最後の犯人や真相も意外性があります。ただ人によっては納得いかないかな(笑)。伏線やヒントが作品全体にこれでもか!ってくらいたっぷりザクザク入ってるのが好きです。2014/08/26
Tetchy
10
カー自身も最後の長編だと意識していたのか、本作には過去の作品に出て来た人物達が見え隠れする。そして最後でありながら、実に微妙な謎を扱っており、非常に興味深かった。なんせ密室状態の中で盃の位置がなぜかずれており、なぜ犯人はこの盃を盗まなかったのかというのがテーマだからだ。そしてその真相は正に本格ど真ん中。手品のようなミスリードを披露してくれる。最後の最後まで生粋のエンターテイナーぶりを見せてくれた。2010/01/06
elf51@禅-NEKOMETAL
6
入手困難本。ヘンリー・メリヴェール卿最後の作品。歴史的価値もある騎士の盃が密室の中で移動し,なぜ盗まれなかったのか?という謎だが,最近流行の日常の謎に比べれば気の利いた謎というところか。イギリス人,アメリカ人,フランス人,イタリア人を揶揄しながら,おなじみの相棒マスターズも登場し,謎解きが始まる。晩年のH.M卿はユーモアに描かれることが多くなり,最後はその線で締めたということか。密室の作り方にはこだわりは見える。これもファンが読む本だろう。2020/10/06
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- 和書
- 謎解きはどこにある