出版社内容情報
2024年5月に98歳で亡くなり、『アッシャー家の惨劇』など数々の低予算映画を成功させてきたコーマンが撮影手法と人生哲学を語る
内容説明
『金星人地球を征服』などのSF、ポー原作の怪奇映画、セクシー作品にアクション物―製作費数万ドル、撮影期間1週間といった条件で、ヒット作をつくり続けたロジャー・コーマン。彼のもとには、未経験だが才能ある人々が集結した。現場でキャリアを積んだ映画人らの証言を交え、伝説の監督/プロデューサー自身が語る、創造性を損なわずに商業的成功を収める方法とは。フィルモグラフィーを改訂し復刊。
著者等紹介
コーマン,ロジャー[コーマン,ロジャー] [Corman,Roger]
1926年、アメリカ・デトロイト生まれ。映画プロデューサー・映画監督。低予算映画を多数製作したことで知られ、「B級映画の帝王」(King of the Bs)、「大衆映画の法王」(The Pope of Pop Cinema)などの異名を持つ。スタンフォード大学卒業後、20世紀フォックスに入社するが、間もなく退社。1954年からハリウッドでキャリアを積み始める。やがて多くの低予算映画を監督し、頭角を現す。1983年、ニュー・ワールドを売却し、新会社「コンコード/ニュー・ホライズンズ」を設立。晩年まで現役を貫いた。2024年5月死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
史
3
意図せずして第二次世界大戦後から冷戦終結までの期間の話になっているのがどこか興味深い。そんな時代の低予算映画、B級映画の道しるべのようの自伝かな。無茶苦茶やっているし解説や役者あとがきに書かれていたようにそこには陰の部分(やりがい搾取等)があると思われるが、しかしそれでも輝かしい場面が多いからこそ、インタビューに答える人間が多いのだろう。ちょっと長い本であるものの、しかしその時代に生きた空気を味わえるものでございます。2025/03/21
pitch
3
低予算映画を作りまくったロジャー・コーマンの伝記。この手の本って「俺が俺が」になりがちなのだけど、本書は「コーマンと仲間たち」みたいな描き方で、周りの人達みんなでB級映画を作ってる様子が活き活きと描かれている。この一点だけでも、大勢に愛されたコーマンの人となりが伺える。大変面白い本だった。巻末の作品リストが圧巻2025/02/22
かやは
2
「日本沈没」を編集して「大津波」って別物映画にした主犯の供述調書w▽「ドナルド・トランプ自伝」は「俺」だけの自伝だったけど、こちらは「私たち」の自伝。多士済々(ただしやりがい搾取をする)。▽とにかく安く映画を作ったという自伝で、最終章に自分を取り戻すためセットを使い回した激安映画を作るエピソードをぶっ込んでくるのはさすが。▽ストーリーがわからない時はナレーションを入れろ、最初と最後をちゃんと撮れって教えを聞いてから「原子怪獣と裸女」を観るとぐっとくるものがありますよ。THE BEGINNINGで終わるのw2025/02/18
Go Extreme
1
映画制作:学び 競争 役割 就職 初期経験 脚本評価 成長 監督 業界の動向:映画業界 メッセンジャー プロデューサー 脚本家 ストーリーアナリスト 俳優 低予算 成功 作品選定 ビジョン 作品特徴:テーマ スタイル ゴシックホラー エドガーアランポー 心理学 恐怖 コメディ 反体制 ベトナム戦争 カウンターカルチャー インディペンデント映画:新形態 ニューワールド社 新道 経済的挑戦 資金調達 株式公開 キャリア変遷:パリ 実存主義 生活 経済状況 交渉 技術 映画配信 独立制作 監督業離脱 革新2025/03/07
カシワグラマサアキ
0
単なる成功譚ではなく「もしもあの時、映画監督を続けていたら―」という寂寥感が、B級映画の帝王であると同時にコーマンがアーティストとして認められた根底にあるのかもしれない。2025/04/26