出版社内容情報
7年ぶりに現れたシーラはオレンジ色の髪をしたパンク少女だった。やがてシーラの口から過去に受けた虐待の事実が明らかになる。
内容説明
7年ぶりに再会したシーラは、オレンジ色の髪をした14歳のパンク少女になっていた。驚いたことに、トリイと過ごした日々も二人の間の信頼関係も覚えていないという。少しでも打ち解けてくれるよう、トリイは自分がセラピストを務めるクリニックのサマーキャンプに誘う。シーラはそこで昔の自分と似た境遇の男の子と出会い、いつしか彼の生い立ちに自らの過去を重ねるようになるが。『シーラという子』続篇。
著者等紹介
ヘイデン,トリイ[ヘイデン,トリイ] [Hayden,Torey]
1951年5月21日、米国モンタナ州生まれ。児童心理学者、特別支援学級の教師、作家。情緒障害児教室や福祉施設などでの体験をもとに数々のノンフィクションを著し、世界中に大きな感動を巻き起こす
入江真佐子[イリエマサコ]
国際基督教大学教養学部卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
lily
90
シーラと著者の関係性に波があり価値観の違いが決定的に。シーラの方が経験則からの思考が深く、少女にして哲学者だった。頑固な著者よりもシーラの発する自由な言葉に毎度深く共感した。シーラと同じ価値観というより好まない価値観が似ているからだろう。礼節、貢献、調和、名声、協力、秩序、性愛、伝統に執着する人間とは波長が合いにくい。進学しない選択も仕事も著者が考える程問題でも落胆する要素でもない。いかに自分の価値観に合ったありのままの自分でいられる人生かである方が大事だ。私の人生にもシーラというアバターが取り込まれた。2021/03/19
やいっち
72
『シーラという子』の続篇だが、こちらは未読。「愛を知らない少女に、再び差し伸べられた手。再生の物語が始まる」というが、想像を絶して困難な物語だった。年初には、上間陽子著の『裸足で逃げる 沖縄の夜の街の少女たち』 (at叢書)を読了している。期せずして…それとも自分の関心が齎した符合なのか、どうしても両者を比べてしまう。吾輩ごときが感想は書けない。心ある方は一読を薦める。2021/12/31
らびぞう
5
あの悲しい別れから7年、14歳になったシーラとの再会から別れが語られている。前作「シーラという子」で、トリイには、やり遂げ感があり、読者である私も、「あ〜、良かった」とハッピーエンドと言う気持ちでいた。だが、本書を読んで、そんななまっちょろいもんではない!「これがリアルなんだ!」と強く感じて、読了後も、もやもや、そうして、すごく哀しくなった。もし、ここにシーラが居たら、ギューっと抱きしめてあげたい!だけど、そんなことをしたからといって、彼女を救うことは絶対出来ない!正しく、生まれ直すことが出来たなら。。。2023/08/21
このこねこ@年間500冊の乱読家
3
⭐⭐⭐⭐⭐ 解説にある、2019年の日本での児童虐待数は約19万件、という事実にショックを受けた。「シーラ」は現代日本にも、19万人近くいるのかも知れないのだと。 シーラは、トリイという無償の愛を施してくれる人に出会えたが、それを奇跡にしない世の中にしたい。2022/01/15
ふたえ
1
衝撃的なこともあったけど、やっぱり大学には行って欲しかったな。。2022/11/16
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