出版社内容情報
ここが、人類最後の砦――。1995年にアフリカを襲ったエボラウイルス禍を軸に、米CDC(疾病対策センター)の活動の全貌を描く
内容説明
エボラ、マールブルグ病、ラッサ熱、O157…地球上で次々に発生し、そのたびに人命を奪ってきた新興ウイルス。それら未知の病原体を制圧する過程には、常にある組織の、そしてスタッフの命を懸けた挑戦と死闘があった―1995年にザイール(現コンゴ)で起きたエボラ出血熱の突発的流行を軸に、感染症対策の人類最後の砦たるアメリカ疾病予防管理センター(CDC)の長年にわたる活躍を描破したノンフィクション。
目次
呼び出し
機関
「一大事です」
キクウィトへの劇的な到着
レディー・バード来たる
最後の頼みのラボ
エボラ・フィーバー
患者ゼロ号
森
「新興感染症」という皮肉
大いなる撤退
ウイルス・パラノイアの黄金時代
著者等紹介
レジス,エド[レジス,エド] [Regis,Ed]
サイエンスライター、作家。“サイエンティフィック・アメリカン”“ハーパーズ・マガジン”“ワイアード”“ディスカバー”“ニューヨーク・タイムズ”の各紙誌をはじめ、さまざまな媒体で活躍している
渡辺政隆[ワタナベマサタカ]
1955年生、サイエンスライター、東北大学特任教授。著書、訳書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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HaruNuevo
5
1995年、コンゴで発生したエボラ出血熱のアウトブレイクに対応した、アメリカ疾病予防管理センターCDCのメンバーの取り組みとともに、元々アメリカ国内でのマラリア予防のために設置されたCDCの生い立ちを語る。 エボラのような致死率の高さはないが、その伝染力の高さから人間というより社会そのものを窒息させるような新型コロナウイルスの感染爆発の厄介さを感じながら読了。2021/08/09
影実
0
1995年にコンゴで発生したエボラ出血熱への対応を軸にアメリカ疾病予防管理センター(CDC)の活躍や成り立ちを著述した一冊。1997年に刊行された作品の文庫化なのでSARSや新型コロナウィルスに関する言及は無し(文庫版訳者あとがきのみ言及)。「ウィルスそれ自体はさしたる問題ではなかった。人間の行動の方が問題だった」という一文は現在の新型コロナウィルスへの対策にも通じるところがあり、考えさせられる(ちゃんと感染予防をしよう)。2020/11/22
peko
0
1995年のエボラウイルスを軸に話が進むが、途中で年代的には1995年以前のエボラ、マールブルク、ラッサへの対応が入ってくるし、人名もたくさん出てくるので、ちょっと混乱してしまった。CDCの歴史がわかる。ウイルスは消滅もするが、変異もして、新しい姿でまた私たちの前に現れるのか・・・2020/10/05