出版社内容情報
あなたの脳についてあなたほど無知な人はいない! 100点以上の図版を駆使して脳に関する知られざる誤解を正す脳神経学入門。
内容説明
だれもが関心をもちながら、脳ほど誤解されているものもない。たとえば―意識があなたの振る舞いを支配している/世界に色があるのは当然だ/記憶は写真やビデオ映像のようなもの/目があればものは見える/脳の半分が失われたら、普通の暮らしは無理/人間は他人との交流なしで生きていける…全部ウソである。脳科学の世界的権威が豊富な写真を駆使して、心と意識の謎を平易にレクチャーする入門篇。
目次
第1章 私は何ものか?
第2章 現実とは何か?
第3章 主導権は誰にある?
第4章 私はどうやって決断するのか?
第5章 私にあなたは必要か?
第6章 私たちは何ものになるのか?
著者等紹介
イーグルマン,デイヴィッド[イーグルマン,デイヴィッド] [Eagleman,David]
スタンフォード大学の神経科学者。“サイエンス”から“ネイチャー”まで種々の専門誌に成果を発表する研究者であり、国際的なベストセラー、『脳神経学者の語る40の死後のものがたり』(Sum)、『あなたの知らない脳』(Incognito)の著者でもある。BBCドキュメンタリーシリーズ、THE BRAINの脚本、プレゼンターを担当した
大田直子[オオタナオコ]
翻訳家。東京大学文学部社会心理学科卒。訳書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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- 評価
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
1959のコールマン
50
☆5。推薦本。ざっくり言うと人間の脳の話。人間の「意識」の問題も書かれています。というと小難しい、いや大難しい本かと思いきやスルスルと読める。しかも話のレベルを落とさずに。さて、私の第一印象は、案外科学と哲学は近いモノなんだな、というところ。特に第六章の「私たちは何者になるのか」は哲学のテーマにもなりそう。他、トロッコのジレンマが出てきたり(シナリオ2つ)、「『中国語の部屋』問題」が出てきたり、スレブレニツァの大虐殺が出てきたりして、読者を退屈させないだけでなく、考えさせるテーマも出てくる。素晴らしい!2020/05/18
綾
27
4章くらいまでは、「進化し過ぎた脳」と同じような話もあって、再読したくなった。脳の話って本当に面白い!5章は、人間の社会性と脳の関わりについての様々な話で、知らなかった視点なので良かった。最終章はSFのような世界でワクワクする。著者の他の著作も読みたくなった。2019/11/12
武井 康則
13
印象深いのは第5章「私にあなたは必要か?」隣人への共感、利他関係は生き延びるために欠かせない。それを生物学的に説明したあと、そんな我々がなぜナチやユーゴのような排他的暴力を犯すようになるのかを説明している。今ヘイトの時代で次に生贄になる、全員でリンチにかけていい者を誰もが探している時代に読むべき章だと思う。そして次は我々の体が外に延長されていく時代について。これも興味深い。2019/10/20
YO)))
12
近年の脳科学、神経科学の知見について、基礎的なことがわりと満遍なく書かれていて読みやすいので、これをとっかかりにリベットやダマシオ、ドゥアンヌなどの著作、あるいは(私はあまりピンと来ていませんが本書でも少し触れられている)トノーニの統合情報理論の本など読んでいくと良いのではないでしょうか。2023/08/13
ist
11
グレッグ・イーガンの順列都市のもうすぐそこまで迫っている。 専門用語ももちろん登場するが、テレビ番組で放映されたものの再構成ということで、非常にわかりやすく脳機能、脳神経について説明されている。 人は1人では生きられない、10代の若者は成人よりも周りのプレッシャーに強い緊張を感じるという普遍的なことが脳神経学でははっきりと説明できる。幼少期の脳の正常な発展成長には社会との結びつきが大きく関係する。 脳の行う計算をそっくり再現できるコンピュータができたなら、それを脳と呼べるか、脳機能のアップロードなど2019/10/13