出版社内容情報
ビッグバンや多宇宙、超ひも理論……不思議現象満載の「先端宇宙論」の世界を実際に旅するごとく、イメージ豊かに案内する名解説。
内容説明
先端宇宙論の世界は不思議な謎に充ちている。秘密を探るため地球から太陽系、銀河系、彼方の「目に見える宇宙全体」の果てへ飛び、宇宙誕生から今日まで138億年にわたる壮大な旅を始めよう。ホーキング博士の直弟子である人気サイエンスライターがロマン溢れる語り口で、宇宙物理学の世界をその場でじかに体験するかのように案内する。フランスのベストサイエンスブック・オブ・ザ・イヤーを受賞した国際的ベストセラー。
目次
第1部 コスモス(沈黙のとどろき;月 ほか)
第2部 宇宙の筋道(法と秩序;困った岩塊 ほか)
第3部 高速の世界(そこへ行く前に;奇妙な夢 ほか)
第4部 量子の世界に飛び込む(金塊とマグネット;海中の魚のように ほか)
著者等紹介
ガルファール,クリストフ[ガルファール,クリストフ] [Galfard,Christophe]
英国ケンブリッジ大学で理論物理学の博士号を取得(指導教官はスティーヴン・W・ホーキングで、専門はブラックホールの情報パラドックス)。その後は科学解説者となり、自身のサイトやライブでの活動にくわえ、サイエンスライターとしても活躍
塩原通緒[シオバラミチオ]
翻訳家。立教大学文学部英米文学科卒。訳書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かんやん
30
太陽系を出て、ブラックホールを横切り、銀河を見下ろし、遙々と最終散乱面まで、138億光年宇宙の旅。ただし、宇宙は膨張しているから、本当はもっと遠いのだけれど。読者が実際に宇宙を旅し、相対性理論を身をもって経験し、量子の世界を目にするように書かれている。そして、アインシュタインの写真(必要ないよ)一枚を除けば、写真・概念図・イラスト一切なし!サイモン・シンの名著『宇宙創成』と比較すると、どうにも分が悪いけれど、科学者のエピソードなんか入れずに、概念をザックリとでも理解してもらいたいという意図は、わかる。 2019/07/01
to boy
20
ちょっと期待外れかな。宇宙論入門との表題ですが、相対性理論、量子力学など多肢にわたっています。もちろん星の内部構造、宇宙の大規模構造を語るには必要な事かもしれないが、ちょっと大雑把すぎるかも。それ以上に語り口が良くない。火山島の砂浜に佇むあなたを主人公にしたり、大叔母の花瓶が出てきたり、余計な文章が多すぎると思う。もっと普通の科学書みたいに素直に書いてくれないかなぁ。2019/06/15
tom
17
ずいぶん前に買って、ときどき頁をめくり、面白いなあと思っていたのだけど、ようやく最初から読み始めることにした。とても面白い。宇宙の構造と成り立ち、微細な原子の世界、それらを分かりやすく説明してくれる。おお、そうですかという感じ。でも、あちらこちらに不明なことが。宇宙はどんどん広がっている。広がるというのは、膨張しているということらしい。これは赤方偏移から確認されていること。でも、宇宙がどんどん膨張するのに、星と星の距離はそのまま云々(私の理解が間違っているのかも)。分からぬことたくさん。でも面白い。2020/10/01
ワッカーパパ
3
ホーキング氏に学んだ若き理論物理学博士によるロマン溢れる宇宙の旅。表題の“138億年”とは我々人類の観測可能な宇宙の限界である「最終散乱面」-それが138億光年の彼方である(宇宙は膨張し続け現在は460億光年)。“読者を誰ひとり振り落とさない”と言うだけあり、難解な記述になりがちな宇宙論を、浜辺で星空を眺める青年の不可思議な体験という設定で、宇宙を見渡す大きな世界、空間と時間を変える高速の世界、そしてあらゆるものの基礎をなす量子世界をわかりやすく魅せる。その世界は“誰もが理解できるもの”だと信じて下巻へ。2019/08/03
グワカマーヨ
3
量子の話おもしろい。叔母さんや花瓶の話はいらない気もする…光速で進むときの時空の歪みが何度読んでも、考えても理解(イメージ)できません…2019/06/25