ハヤカワ文庫ＮＦ ハヤカワ・ノンフィクション文庫 ハーバードの人生が変わる東洋哲学―悩めるエリートを熱狂させた超人気講義

ピュエット，マイケル〈Ｐｕｅｔｔ，Ｍｉｃｈａｅｌ〉/グロス＝ロー，クリスティーン【著】〈Ｇｒｏｓｓ‐Ｌｏｈ，Ｃｈｒｉｓｔｉｎｅ〉/熊谷 淳子【訳】

早川書房（2018/06発売）

• サイズ 文庫判／ページ数 272p／高さ 16cm
• 商品コード 9784150505257
• NDC分類 124
• Cコード C0110

出版社内容情報

ハーバード大学で絶大な人気を誇る東洋思想
講義を再現。孔子、孟子、老子らの教えに、
欧米のエリート学生たちが熱狂する訳とは!?

マイケル・ピュエット［ピュエット マイケル］
著・文・その他

クリスティーン・グロス＝ロー［グロスロー クリスティーン］
著・文・その他

熊谷　淳子［クマガイ ジュンコ］
翻訳

内容説明

「この講義が終わるまでに、きみの人生は必ず変わる」そんな約束から始まる東洋思想の講座が、ハーバードで絶大な人気を誇るのはなぜか？「“ありのままの自分”なんてどこにもいない」「“ポジティブ”がよいとはかぎらない」「強くなるには、徹底的に弱くなれ」カレッジ教授賞を受賞した有名教授が語る孔子や荘子の真のメッセージが、悩めるエリート達の目を輝かせる。名講義のエッセンスを完全書籍化。

目次

１　伝統から“解放された”時代
２　世界じゅうで哲学が生まれた時代
３　毎日少しずつ自分を変える―孔子と“礼”“仁”
４　心を耕して決断力を高める―孟子と“命”
５　強くなるために弱くなる―老子と“道”６　まわりを引きつける人になる―『内業』と“精”“気”“神”
７　「自分中心」から脱却する―荘子と“物化”
８　「あるがまま」がよいとはかぎらない―荀子と“ことわり”
９　世界じゅうの思想が息を吹き返す時代

著者等紹介

ピュエット，マイケル［ピュエット，マイケル］ ［Ｐｕｅｔｔ，Ｍｉｃｈａｅｌ］
ハーバード大学東アジア言語文明学科の中国史教授。古代中国の倫理学および政治哲学を扱った学部授業は、「経済学入門」「コンピュータ科学入門」に次いで学内第３位の履修者数を誇った。卓越した学部教育により、ハーバード大学カレッジ教授賞を受賞している

グロス＝ロー，クリスティーン［グロスロー，クリスティーン］ ［Ｇｒｏｓｓ‐Ｌｏｈ，Ｃｈｒｉｓｔｉｎｅ］
ジャーナリスト。ウォール・ストリート・ジャーナルやハフィントン・ポストなどに多数寄稿。ハーバード大学で東アジア史の博士号を取得している

熊谷淳子［クマガイジュンコ］
大阪教育大学卒、コロラド大学大学院で修士号取得。翻訳家（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[あすなろ]

本当の自分探し、僕も世間もこれを平然と使う世。しかし乍ら、我々は道(タオ)を歩いているのみで、その道程で絶え間無く自分の選択や行動や人間関係で絶え間無く形作っていく行路を歩き続けているのである。即ち、人生の一瞬一瞬で新たな道を生み出しているのであり、自己に相応しい生き方を探して定格化しようとしても仕方ないのである。そのような示唆に富む、若しくは悩むに足らないのではないかということを孔子・老子等の考えを用いて根源より説いている講義録。

2018/11/11

[タナカ電子出版]

この本は文庫本で価格700円と、とてもお求め易い値段となりました。私はこの本を東洋思想をまったく知らない読者にはおすすめしますが、少しでも東洋思想を読んだことがある読者にはまったくおすすめできません！なぜなら情報量があまりにも少なすぎて一人の東洋思想を充分に紹介できていないからです。私は東洋思想を愛するほど好きなので❤️この本を読むくらいなら岩波書店の東洋思想をおすすめします。

2019/02/02

[s-kozy]

娘からの借り本。なかなか興味深く読めた。ただ、思想は思想としてあるだけでそれを「人生を変える」ものとして使おうとするのは西洋的だなぁと思ったりした。これは邦題か。でも、それが本の売り上げに影響するんだろうから、やっぱり西洋的なのか。内容はとってもいいですよ。

2019/12/14

[紅香@とにかく積読減らします💦]

揺るがない世界で暮らしたいと幾度となく思ったかしれない。ここまで来れば安全な場所だと。それがどういった世界か深く考えたりもしないで。それは感情を置き去りにすることでもある。感情なしに私は日常を生きていけるだろうか。愛せるだろうか。私達が生きている世界は何もかもが流動的で陰と陽みたいな正反対なものの追いかけっこの渦中にいる。先人たちの異なった言葉、ことわりはより良く生きよという構築の一部。支えられながら私達もそれに絡め取られかたどっていく。日常はすべて修養の場。迷ったら行動するのみ。東洋哲学がやっぱり好き。

2021/06/01

[春風]

ハーバード大学中国史教授のマイケル・ピュエット氏による東洋哲学論。キーコンセプトは「礼」。様々な人や状況が想定される混沌とした複雑な世の中では、定言命法的な普遍的なパターンとしての応答は存在しない。礼を用いて両者の役割を交換可能にすることで、疑似的に等価な関係となる。そこで感情を修養していくという動的な姿勢が東洋哲学の本質であるとする。この礼の「かのように」のコンセプトで、孔子以外にも孟子・老子・荘子・荀子などを読み解いていく。西洋文化圏から見た東洋哲学の特質が浮き彫りにされている。

2020/07/04