内容説明
頭がおかしいのか?そんな話が通用するわけがないだろう!作家クリフォード・アーヴィングが思いついたアイディアは常識では考えられないものだった。隠遁生活をおくり、その素顔すらも謎に包まれている伝説の大富豪ハワード・ヒューズの自伝を捏造してしまおうというのだ。誰が考えても無理な話だ。なにしろヒューズ本人は生きている。本人が否定したらそれまでではないか…のるかそるかの大博打がここに幕を開く。
目次
第1部(始まりはパルマ;妻と愛人;イビサのあぶない奴ら;国境の南)
第2部(プロジェクト・オクタヴィオ;ここまでは順調!;ヘルガ、旅に出る;大当たり;「今日のハワードはどちらだ―きみかわたしか?」)
著者等紹介
アーヴィング,クリフォード[アーヴィング,クリフォード][Irving,Clifford]
1930年マンハッタン生まれ。1956年に作家デビュー。世界中を放浪しながら6作の小説とノンフィクション1作を執筆。またTVドラマの脚本なども手がけた。著書『ザ・ホークス―世界を騙した世紀の詐欺事件』の事件で服役し、出所後は作家に復帰している。現在は6番目の妻とともにコロラド州とメキシコの太平洋岸に暮らしている
三角和代[ミスミカズヨ]
西南学院大学文学部外国語学科卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
rosetta
28
タイトルはHAWKSではなくてhoax、でっち上げという意味らしい。ハワード・ヒューズ公認の自伝を書くと言って出版社から前払金を騙し取ったとして有罪判決を受けた作家が自ら書いた内幕物。1981年に出た本を映画化に合わせて2006年に再販したものの翻訳。日本版は2007年。それにしてもこれって世紀の詐欺事件と言うほど大事なのか?作者と相棒は結構丁寧に周辺取材を重ねている。騙したとされるのはヒューズに実際に会ってインタビューしたという部分くらいで伝記としてならば十分な本になったはずだと思う。2023/04/21
うたまる
2
「まず、基本的なことから決めよう」「例えば、どんな?」「私たちが創り出す男がどんな人物かだよ。ハワード・ヒューズとは何者だ?」……1972年のハワード・ヒューズ自伝捏造事件のノンフィクション回想録。こんなん絶対無理というルパン三世のような爽快な犯罪活劇に、驚くやら呆れるやら。インチキなのに真面目に資料収集する彼らが、何とも憎めない。不思議なのは、そんな彼らに幸運が重なり貴重な情報が出来過ぎなくらい次々に舞い込むところ。…ん、出来過ぎ?…まさか、この回想録もホークス(嘘・デタラメ)じゃないだろうな。下巻へ。2017/07/19