内容説明
動物にはいかにも高度な精神の働きゆえの、思いやりや愛情の発露としか思えない行動が見られるがたいがいは自らの遺伝子をより多く遺そうとする遺伝的利他行動にすぎない。しかしこの理論からはみ出す、真の利他行動としか呼べない例はどう考えればいい?仲間の死骸を持ち去り埋葬するゾウや、友達の目に入った異物を不器用な指で取ってやるチンパンジーなど、興味深いエピソードを通じて考察する稀有な動物誌。全2巻。
目次
1 高次行動
2 動物の作法
3 救いを求める叫び
4 命を救うイルカ
5 思いやりの情をもつゾウ
6 墓と墓地
7 悲しみ
8 忠犬物語
9 盲導
10 思いやりのメカニズム
著者等紹介
バートン,モーリス[バートン,モーリス][Burton,Maurice]
1898年、イギリスに生まれる。ロンドン大学卒。専攻は動物学。大英博物館動物学学芸員を経て、イラストレーテッド・ロンドン・ニューズ紙の科学部門担当編集者、デーリー・テレグラフ紙の記者として活躍した
垂水雄二[タルミユウジ]
1942年生。京都大学大学院理学研究科博士課程修了。出版社勤務を経たのちフリージャーナリスト(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ryota
1
動物に利他的な愛があるのか、そのエピソード集。かなりたくさんまとまっている。出版は30年前。2015/01/24
NezMozz
0
だーかーらー、西洋動物学者やナチュラリストたちの、動物を擬人化して理解した気になった黒歴史許すまじ!我々はあの過ちを忘れないぃ!みたいなのはもういいですからぁー!や、確かに動物を擬人化することの害悪ってのは大きいと思うんですよ、私も好きじゃないし。でも観察する側が人である以上、そこから人の視点を完全に切り離すわけにはいかないでしょーよ。もうそういう予防線というか、煮え切らない言い回しが多くて最早鬱陶しい。沢山の興味深い事例を引きながら、擬人化に臆病なあまり何も本質に切り込めていないし、読者に何も残さない。2013/01/14
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