ハヤカワ文庫
大西洋漂流76日間

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  • サイズ 文庫判/ページ数 382p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784150502300
  • NDC分類 936
  • Cコード C0198

内容説明

1982年2月4日深夜、嵐の大西洋上でキャラハンの小型ヨットは突然沈没した。この時から海洋史上に残る壮絶なサバイバルが始まった。救命イカダに逃れた彼は、飢えと渇きに苦しみつつも、手製のモリで魚を獲り、頼りない蒸留器で飲み水を確保。だが漂流生活はいつ果てるともなく続き、死は目前に迫ってきた…。遭難者の90%が3日以内に死んでしまうという海難事故から奇跡の生還をとげたヨットマンが綴る極限の手記。

目次

1 『ナポレオン・ソロ』
2 衝突!
3 魔女とその呪い―飢えと渇き
4 夢をたよりに
5 憎悪とあこがれ
6 『ダッキー』裂ける!
7 生きのびる
8 ごみの道
9 さまよえるオランダ人
10 発見!
11 生還
12 ふたたび海へ

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

サンダーバード@怪しいグルメ探検隊・隊鳥

94
「寝転び読書の旅に出た」で紹介されていた椎名誠オススメの一冊。小型ヨットでセイリング中に突如難破。大西洋をたった一人、救命用のゴムボートで漂流したヨットマンのサバイバル記。絶え間なく押し寄せる波、僅かに残った水と食料、飢えと渇き、孤独との闘い。次から次へと起こるトラブルにも耐え凌ぎ、76日間もの漂流の末に奇跡的に助かったのは作者自身が言うように、経験、準備、そして幸運が揃っていたからだ。だが、最も必要なのは決して諦めない強い心、これがあったからこそ生き残ることができたのであろう。★★★★2016/02/21

Tαkαo Sαito

42
「このレースに二着はない」/「わたしたちはしなければならないこと、また自然が許すことのみをしているだけだ。にもかかわらず、生命の織物は、ときとしてすばらしい模様を織りなして見せてくれる」/「おたがい、生きていく道は別であっても、生きていくことの本質は同じなのだ」/「ただの魚が、ひとりの人間に、人生の複雑な神秘をいかに教えたかという物語を、あの二尾は今、胸に抱いて泳いでいるのだろうか」2020/05/30

ホークス

38
救命イカダで漂流する、孤独なサバイバルの記録。海難者の90%は、遭難から3日以内に死んでしまう。足場を失った恐怖が、飲まず食わずの時より早く命を奪うからだ。本書でも、激しい絶望感が繰り返し著者を襲う。渇きを癒さない「水の砂漠」で、飲み水作りに終始苦しむ。唯一の食料である魚の捕獲と、イカダへの空気補給に体力の多くを奪われる。それでも著者は自分を律し、鼓舞しようとするが、道具やイカダは着実に損傷し、肉体は衰弱していく。苛酷な状況下で、著者が魚たちに命の躍動を見る場面には、僅かな希望と同時に狂気を感じた。2016/10/18

taku

22
漂流生活を面白いと言っては申し訳ないが、面白い。救命イカダで大海原を漂い、限られた道具で水と食料を確保し生き延びる。経験、知識、技術は確かに不可欠。しかし、恐怖、孤独、環境に打ち勝つタフさこそ最大の救命道具だ。彼は海神に試さたのかもしれない。そして美しく醜い海で生きることを許された。シイラにモンガラ、サメもネプチューンの使いだったのかも。冒険野郎ってのは、死すれすれを経験をしてもまた元の世界に戻っていくな。それさえ己の糧とするように。2019/06/23

たみ

18
1人で乗っていたヨットがカナリア諸島沖(アフリカの西辺り)で難破、救命用のゴムボートで76日かけて大西洋を横断し、グアドループ島付近の小島(メキシコの東辺り)に流れついて救助されるまでのノンフィクション。1982年の事故当時、著者は30歳。本文の合間に、ゴムボート内部の構造や、真水を得るための集水装置、魚たちの緻密なイラストがついています。体重をかけるとヘコんでしまう柔らかいボートの上、死闘の日々。海と肌を合わせるようにして著者が見た、魚たち、鳥たち、水平線、虹、夕焼け。絶望の中の美しさ。泣きました。2014/10/10

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