内容説明
最初に受けもった生徒たちが卒業すると、ルアン先生の心はカラッポになった。持てる力のすべてを捧げてきたので、自分の情熱さえも消滅する気がした。そんなある日、緊迫する事件が連続する。ある生徒は殺してやると叫ぶ男にピストルで狙われ、ある女生徒はセックスシーンをヴィデオに録られて恐喝される。疲労と緊張のきわみのなかで、ルアン先生は事態にどう立ち向かうのか。映画『デンジャラス・マインド』原作の続篇。
目次
約束は約束
晴れのち曇り
ライデッカー対ロペス
どうしたの、先生
昨日に別れを言うのはつらい
じゃあ、あたしを落とすのね?
どうだい、奥さん
どうにもできないこともある
おれには痛くも痒くもない
どうもなりっこない〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
リュウジ
12
★3貧困、非行、いじめ、暴力。子供たちが抱える問題はその中身も抜け出せない理由も日本と全く違う。ルアン先生の特別クラスにいるのは、主にアフリカ系米国人やメキシコなどの移民たち。「本当に悪い子だったらその子は学校に来ることさえ考えない」という割り切れない割り切りの中で、生徒と一緒にめざすのは「高校卒業」という“やればできた”成功体験とコミュニティを抜け出す切符。先生はギリギリまでもがく。米国がすごいのは、やるやらない、守る守らないの全ての責任は子供たちにあるという考え方の徹底。日本は過保護すぎると感じるわ。2023/12/31
クイックラック
3
前作がルアン先生の成功を描いた作品なら今作は挫折と失敗のエピソード。でもどれだけ失敗したって生徒を信じて、抱き締めて、すべてを救おうとするルアン先生に胸うたれた。 20年以上前の話なのに今でも色あせない。 めっちゃ泣いた。2019/07/07
釈聴音
1
ここまで生徒に積極的にかかわることは、日本のシステムでは無理だろうなと思う。2013/05/16
お竹
1
沢山の人に読んでほしい本。
ブルーローズ
1
アメリカの高校、それもちょっと困難なクラスを受け持つルアン先生。どんなに生徒が騒いでも「悪い子は学校に来ない」と念じて物事の解決にあたる、差別の状態や退学状況など生徒に教えられることがたくさんある、など、教えられることがいっぱいです。表紙はカワイイけど読むのにちょっと体力いります。プロの職業人の気合も見えるし、成長期の子どもに関わっている人すべてに必要なこともかかれています。2010/12/09