内容説明
われわれ日本人は自分自身について、自分たちの国についていったい何を知っているのか?在日30年のジャーナリストが冷徹な眼でえぐり出したこの国の真の姿に、われわれは慄然とせずにはいられない。日本における権力の行使のされ方に焦点をあて、政治、ビジネス、教育等あらゆる側面からこの国を動かす特異な力学を徹底的に分析した、衝撃の日本社会論。本書に匹敵しうる日本論を、日本人自身はついに書き得なかった。
目次
1章 “ジャパン・プロブレム”
2章 とらえどころのない国家
3章 抱き込みの包囲網
4章 〈システム〉に仕える人びと
5章 アドミニストレーター
6章 従順な中産階級
7章 国民の監護者
8章 法を支配下におく
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェルナーの日記
199
著者・カレル・ヴァン・ウォルフレンは、オランダ出身のジャーナリスト&政治学者。長年日本に住んでいた経験から、日本における官僚を始めとする権力行使のあり方を分析した書。どこの国においても多かれ少なかれ、論理と現実との間には差が存在する。その差をどのように埋めていくかが、日本と諸国とでは違いあると指摘している。通常、現実を論理に近づけるようにシステムを改変していく方向で進むが、日本では逆に論理を現実に近づけるように改変していく方向に進む傾向が強いとしている。つまり、”赤信号、みんなで渡れば怖くない”である。2018/09/13
Willie the Wildcat
48
2つの虚構。三極、四極の微妙なバランスと、そのバランスの齎す保護主義。結果、国民主権が3つ目の虚構という印象。文化と政治、西欧・中国との対比の視点。中でも、「原理vs.恩恵」という西欧比は言いえて妙。一方、責任の所在の曖昧さが、論旨のどこを切っても浮かび上がる構図に耳が痛い。但し、ロッキード事件はもれなく転機。田中氏が、”システム”に入りきれなかったことの功罪。結局、揺れ戻しの末に元の木阿弥と感じざるを得ない目の前の現実。”権力”解消・改革が、構造改革の柱かもしれない。2016/06/05
KAZOO
40
海外の人々から見ると日本人はまだ何を考えているのかわからないということで、このような本が結構話題になったのでしょう。この内容は日本あるいは日本人についてかなり詳しく分析しています。ただ分野が結構広がりすぎている気がしてその分薄まったかなあという感じもします。2015/01/08
ころこ
13
本書のキーワードは<システム>です。日本は支配階級が厳然と存在して、日本社会を不透明、不自由にしている。<システム>を維持するために不合理な制度が温存されて、中産階級の人々はその犠牲になっていることに気付かない。それらの人々が<システム>の呪縛から解放されれば、もっと公正で良い日本社会をつくっていけるはずだというのが著者の見解です。出版された1990年当時は、先進国で非欧米国は日本しか無く、その日本の経済力が欧米に対して不公正だという理由で恐怖心を与えていた時代状況でした。今になってみると、本書の指摘して2017/11/10
中年サラリーマン
13
日本文化の外側側からみた日本人の行動様式などを「システム」と呼んでそれを分析した本。なかなか面白いですが、欧米文化をスタンダードにして論じているのが若干鼻につきます。著者の出身がそうなのでしょうがないのですが。外国人はこういうところがひっかかるんだなぁと思いながら読みたいものです。2013/10/31
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