感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鐵太郎
12
ドイツ空軍の盛衰を、1917年から1945年まで綴ったもの。英国人の客観的な視点と、内藤一郎氏の踊るような見事な訳文で描かれます。圧巻となるのはマックス・インメルマンから始まりアドルフ・ガーランドに至る不世出のエースたちの活躍ですが、その背後にあったのは、偉大なパイロットで先見性のある統率者であり、かつ傲慢で無責任で執念深く権力を自分の栄達と財宝収集だけに当てた唾棄すべき人物、ヘルマン・ゲーリング。彼がいなければ第二次世界大戦はどう進展したのだろう。2017/10/17
mahiro
9
本棚から発掘本の再読。昔戦記物や松本零士氏のマンガなどの影響でドイツ空軍に興味を持った。第一次世界大戦の戦闘機黎明時代からナチス崩壊までに発展し滅びていったドイツ空軍と飛行機乗り達。世界最強空軍と標榜する割りにその内実は脆く虚仮威しと無理を重ねた物だった。初読の時はユンカースやメッサーシュミットの名前が嬉しかったが今は莫大な資源と人命の浪費を思う。アニメ『風立ちぬ』や『ナルニア国物語』のロンドン爆撃の事も頭に浮かんだ。2020/04/18