出版社内容情報
英国の諜報員オスナードは、パナマ運河返還後の政情を探るためパナマへ向かう。彼は要人御用達の仕立屋ハリーに目をつけ……。
【中ゴチ/ジョン・ル・カレの名作を連続刊行/『ナイロビの蜂』(2024年8月刊)】
内容説明
1999年12月31日、パナマ運河が米国から返還される。Xデーを前に、太平洋と大西洋を結ぶ航路の覇権を得ようと各国が探り合うなか、英国は若き諜報員オスナードを送り込む。彼はパナマの政情を探るため要人御用達の仕立屋を雇う。仕立屋はパナマ大統領や米軍司令官の採寸をしながら裏情報を集めるのだが…。戦争を始めたい人間は大義を捏造する―現代に通じるテーゼを巨匠ル・カレが描く、伝説の名作が初の文庫化。
著者等紹介
ル・カレ,ジョン[ルカレ,ジョン] [le Carr´e,John]
1931年イギリスのドーセット州生まれ。オックスフォード大学卒業後、イートン校で教鞭をとる。東西冷戦期にイギリスの諜報機関MI5に入ったが、MI6に転属し、旧西ドイツのボンにイギリス大使館の二等書記官として赴任、その後ハンブルクの総領事館に勤務した。1961年に『死者にかかってきた電話』で小説家としてデビュー。2020年12月死去
田口俊樹[タグチトシキ]
1950年生、早稲田大学文学部卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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k5
48
先月読んだんですが、登録忘れてました。中南米に縁がないので、どうしても英国の絵で読んでしまいますが、パナマでサビルロー式の仕立屋を営む男に、英国のスパイが近づき、陰謀に巻き込まれる熱い一冊。やはり筋は難しいのでもう一回読みます。2025/02/02
鐵太郎
19
久し振りのジョン・ル・カレ。むろんスパイもの。舞台となる1996年のパナマは、この時点ではアメリカの管理下にあり、歴史をたどると1999年にパナマ共和国に完全返還されます。その未来を見据え、英国情報部はここでいったい何をしようというのか──ってことで、主人公はパナマ・シティで英国式の仕立屋を経営するハリー・ペンデル。かつて英王家御用達でサヴィル・ロウに店を構えていた彼の正体は──というかそれが英国から来た諜報員オスナードにばらされてからの話がコメディタッチで綴られるのが上巻。で、下巻はどう進展するのかな?2025/06/13
春風
14
スパイ小説の巨匠ル・カレの後期作品。冷戦後のパナマを舞台に、イギリス情報部が情報源としてとある仕立屋に目をつけ…というような筋。企みは蹉跌に次ぐ蹉跌といった感があり喜劇的ではあるのだが、同時に悲劇を延々と予感させる。各人の過去が明らかになってくるが、どの登場人物も胡乱。そしてル・カレ作品としては珍しく日本が登場する。『日本のみなさんが英知をもって愉快に読まれることを確信する者である』という緒言はそれを示唆していたのか。本筋とは離れるが、往時の日本の発展と世界への影響力は隔世の感。2024/08/29
いなお
3
ル・カレってこんな軽やかな話も書けるんだね、採寸のシーンなんかはかなりポップだし2025/07/30
ぴよぴよ
0
トランプ大統領のパナマ運河の支配権に関する発言を聞き、各国がどんな策略を持ってパナマに関与しているのか参考にしたいと思い通読。2025/03/10
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