出版社内容情報
頭の怪我によって恐怖を感じなくなり、連邦保安官を退任したベン。彼はかつての上司から行方不明の娘を捜索するよう依頼される。
内容説明
連邦保安官局のベン・ケーニグは頭部へ銃弾を受け、恐怖の感情を失った。さらにマフィアから懸賞金をかけられたベンは、任務に支障をきたし逃亡生活を余儀なくされる。ある日、彼は連邦保安官局に拘束され、かつての上司から行方不明になった一人娘の捜索を命じられる。死地へ向かうことを躊躇しないベンは、不倶戴天の敵ジェンと事件を追うが…。“ワシントン・ポー”シリーズ著者による新シリーズ開幕。
著者等紹介
クレイヴン,M.W.[クレイヴン,M.W.] [Craven,M.W.]
イギリス・カンブリア州出身の作家。軍隊、保護観察官の職を経て2015年に作家デビュー。2018年に発表した『ストーンサークルの殺人』で、英国推理作家協会賞最優秀長篇賞ゴールド・ダガーを受賞した
山中朝晶[ヤマナカトモアキ]
1970年北海道生、東京外国語大学外国語学部卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
パトラッシュ
214
優秀なワンマンアーミーが訳あって悪の組織に戦いを挑むベン・ケーニグの肖像は、マック・ボランやジェイソン・ボーンと重なる。関係者を容赦なく叩きのめして情報を得たり、追い詰められても決して諦めず自らを冷静な第三者の目で観察できる部分は特に。この手のプロの兵士が活躍するドラマに遺伝性疾患による恐怖不感症を持ち出す意味は薄いのではと思えたが、失踪した元上官の娘を探すうちに意外な過去が浮かび上がる展開はワシントン・ポーのシリーズで見せた練達の手腕だ。目くじらを立てず純粋なアクション物として楽しむ限り満足できる作品。2024/07/05
タツ フカガワ
133
ある事情から6年間逃亡中だった連邦保安官局の元指揮官ベンが小さな町で拘留される。ベンの前に現れたのはかつての上司で恩人でもあるミッチで、彼の行方不明になった大学生の娘マーサを探して欲しいという。そのベンは脳神経に異常があり、恐怖に反応しない体質だった。“ワシントン・ポー”シリーズの著者の新シリーズで、終盤の二百数十ページでの死亡者数も凄ければ、人質のマーサの救出劇には思わず笑ってしまったアクション小説。馬の合わない相棒ジェンとのコンビも一興で、期待以上の面白さ。次作も楽しみです。2024/06/28
道楽モン
122
徹頭徹尾アクションのドンパチ小説。『ワシントン・ポー』シリーズ作家の裏面(というか心に秘めたる腕白坊主っぷり全開?)なのだろうか。もう、随所に出てくる過去の小説や映画へのリスペクト満載、アイコン続出。無敵のヒーロー造形を嬉々として行っているであろう様子がうかがえる(妄想)。綿密なプロットが売りである本流シリーズも魅力だが、この勢いファーストの新シリーズも面白い(第2作目も出る)。映画『ジョン・ウイック』とか好きな人には堪らないでしょう。新機軸まったく無し、銃と腕力と頭脳による暴力満載。マチズモだな。2024/07/14
stobe1904
114
【アクセル全開の冒険小説】『ワシントン・ポー』シリーズの作者によるアクション長編。元連邦保安官で、脳損傷のため恐怖を感じなくなったベンはロシアマフィアに追われることになり、隠遁生活を送っていたがかつての上官から失踪した娘の捜索を頼まれるが…。個人的な趣味で執筆した経緯らしいが、スピード感に溢れ、幾多のトラブルを蹴散らしていくベンを応援しながら読み終えた自分にふと気づくような作品だった。ワシントン・ポーに加えて楽しみなシリーズが誕生した。★★★★☆2024/07/31
ナミのママ
104
あまり読まないアクション小説なので比較しようがないんだけど面白かった。おきまりの美女と云々が苦手だけどこの作品に出てこなかったのが一番良かったかも。連邦保安官局特殊作業群の元指揮官だった主人公となればそりゃ激しいはず。さらに怪我の後遺症で恐怖を感じないとなればイケイケしかないよね。他者にも容赦なく突き進んでいく。事件は解決したけれど懸賞金や人間関係は繋がっているのでシリーズ1作目らしい終わり方。それにしてもこの作者は長篇大作好き、本作も約700ページ読みごたえあり。2024/06/17