内容説明
英国の落ちこぼれスパイたちの吹きだまり“泥沼の家”では、今日もボスのジャクソン・ラムのもと“遅い馬”たちが退屈な業務に向かっていた。ところが、そのひとりでラムの秘書のキャサリンが、何者かに拉致された!犯人から指示を受けた“遅い馬”のカートライトは、彼女の身の安全と引き換えに、本部に厳重に保管された情報を盗み出すことになるが…“泥沼の家”の存亡をかけて、落第スパイたちの奮闘がはじまる!
著者等紹介
ヘロン,ミック[ヘロン,ミック] [Herron,Mick]
イングランド北東部のニューカッスル・アポン・タイン生まれ。オックスフォード大学ベリオール・カレッジ卒業。2003年に作家デビューし、オックスフォードを舞台にしたミステリ小説を発表してきた。2010年の『窓際のスパイ』は彼の長篇第6作にあたる初のスパイ小説で、英国推理作家協会(CWA)のスティールダガー賞候補となり、その続篇にあたる『死んだライオン』(2013年)で、CWA賞ゴールドダガー賞を受賞した『放たれた虎』はそれに続くシリーズ第3作になる
田村義進[タムラヨシノブ]
1950年生、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Panzer Leader
39
「第96回海外作品読書会」失格の烙印を押された情報部員たちを描く英国スパイシリーズ第三弾。今回は仲間の誘拐から始まる陰謀に巻き込まれる。解説者にも”揃いも揃って正真正銘の間抜けども”と揶揄される愛すべき駄馬たちがリーダーのラムに活を入れられながら、事件を追いかけていく様をユーモラス且つシニカルに描いている。ル・カレとは違うけど味のある一品。2017/10/16
ほちょこ
35
ほぼ8月いっぱいかかってミック・ヘロンのスパイ3部作を読む。面白いのにページが進まない。思うに、翻訳が私に合わなかったのかも。でも、読み切った感、満足度はあるので、暑い夏、お疲れ様でしたと自分に言いたい。残すところあと1週間程度の8月はダラダラ読書を楽しみたい。2018/08/23
nuit@積読消化中
28
レビューは後日〜2022/11/06
しゃお
25
〈窓際のスパイ〉シリーズ3作目。キャサリンが昔の男に誘拐され、キャサリンを助けるために動き出す落ちこぼれスパイ“遅い馬”たち。果たしてキャサリンが誘拐された目的とは?!リヴァーがハイパーリンクをスルーしてしまうのはちょっと不自然かなと思うけれど、落ちこぼれスパイたちそれぞれが抱えている問題を“泥沼の家”の主たちであるラムが部下たちに放つ言葉のようにシニカルでありながら、ほんのり優しさが感じられる描写はやはりクセになります。2017/10/06
わたなべよしお
24
今回もなかなか楽しませてもらいました。でも前作の方が良かったかなぁ。裏には裏があって物事が額面通りでない、というところはこれまで通りで評価できる。けれども、それも皆、英国情報部内部の権力争いというところで興がそがれたかな。2017/09/18