出版社内容情報
調査船が漂着した孤島には、謎めいた施設が遺され、得体の知れない何物かが潜んでいた
内容説明
太平洋の中央、洋上の廃棄物が大量に漂流する太平洋ゴミベルト。その調査に赴いた“マゼラン”号は台風に遭遇し、絶海の孤島へ漂着する。平穏に見える島だったがすぐに事態は急変した。島から襲ってきた何ものかが、乗組員をさらっていったのだ。目撃者は呻いた。あれがさらっていった…あの男でもあの女でもない「あれ」が。そして、島へ上陸した人々の前に、想像を絶する怪物が現われる!新世代モンスター小説登場。
著者等紹介
ロビンスン,ジェレミー[ロビンスン,ジェレミー] [Robinson,Jeremy]
1974年アメリカのマサチューセッツ州ビヴァリー生まれ。美術学校卒業後はコミック業界に入る。その後、不動産会社で働きつつ、脚本や小説を執筆。2005年に自費出版した作品で認められ、小規模出版社からデビュー。2009年のPulseからマスマーケットに進出し、フルタイム作家となる
林香織[ハヤシカオリ]
1958年名古屋市生、名古屋大学文学部英文学科卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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HANA
63
原題は表紙にもあるように『island 731』。もうこれだけで内容はほとんどわかってしまうような気もするけど、あの部隊が元ネタとなっております。何で関東軍が太平洋の孤島に実験施設持ってるのかわからないが、ナチスが南米や南極や月面に秘密基地持ってるようなものだろうか。内容はアルバトロス配給を思わせるようなガチガチのB級モンスターパニックモノ。次から次へと見せ場を投入し終わりの部分もしっかりお約束通りで、ここまで徹底されると先を読む云々より、深く考えず話の流れに身を任せる事が快感になるほどでありました。2015/02/22
sin
60
けっこう無理矢理な設定だがそれ程疑問を抱くことなくテンポよく読み進めていくことができる。表紙のデザインからナチス絡みかと早合点していたが違って極東の枢軸国絡み、それにしては強引なと感じてしまうが海外から見たら旧◯本軍はこのような印象なのは仕方がないし、そこにエンターテイメントの理論が働いているのは言わずもがな…登場する怪物が外見上平凡と感じてしまったがその中に隠し合わせた物の存在から、虎の皮を被った狼的な様子がかえって興味深い…最後はなんか、でもエイリアンっぽい続くって感じの終章が蛇足か?2015/03/22
まえすとろ
47
表紙の「ヘルメス(カドゥケウス)の杖」と「孤島」が示す通りハーバート・ジョージ・ウェルズが1896年に発表した小説『モロー博士の島』という≪大鍋≫にバイオハザードを始め日本の怪獣映画を含めたB級ホラー映画のエピソードをみじん切りにしてじっくり煮込み、隠し味に日本の「731部隊」やドイツ赤十字が「アウシュビッツ」で行った『医療実験』のシチュエーションを加えた超B級ホラー映画のノベライズのような作品。原題の『ISLAND731』はズバリ『731部隊の島』!直球である。しかし、日本批判ではないからそこは安心。2015/02/15
白のヒメ
43
恥ずかしながら、この年になるまで太平洋ゴミベルトを知りませんでした。調査に来ている船の描写が冒頭にあり、人間の出したごみを食べて死ぬ動物たちの壮絶な描写通りの写真をネットで見ました。そして物語の核になる日本軍の731部隊。若い頃森村誠一の悪魔の飽食を読んだ時の衝撃が甦り、人間とは何と罪深い存在であるか、改めて思い知らされました。この本を手に取った時はB級ホラーかなぐらいに軽く思っていたのですが、とんでもない。読後はしみじみ改悛の思いで一杯でした。自分に何が出来るのか考える事は忘れないようにしたいです。2017/12/14
Panzer Leader
35
いやー、これも面白かったなあ。「ドクターモローの島」+「武器人間」+「仮面ライダー・ゲルショッカー編」の要素に加えて色んなモンスター映画から影響を受けたような場面が次から次へと展開する。出てくるモンスター達もドラコスネイク・イカアリゲーター・ピラニアシーガル・亀蠍蜘蛛等と 名前を書いてるだけで楽しくなってくる。この作品は「ネメシス・シリーズ」の4編のうちの1編でシリーズの前日談の扱い。他は「MM9」「パシフィックリム」「ゴジラ」のような雰囲気の作品。どんどん次も出版して欲しいなあ。2015/08/25