内容説明
テンプル騎士団が壊滅の危機にあった1310年、騎士団員コンラッドは断崖にある修道院で、百年前に仲間が密かに運んできた“荷物”を発見した。修道院長は告白書にそれを「地獄から汲んだ毒を使って悪魔が書いたもの」と記したという。件のイラン人は告白書の内容を知り、“荷物”を手に入れる鍵となる記録簿を狙ったのだった。テスとライリーは“荷物”を求めて修道院を探し始めるが、やがてイラン人の恐るべき企みを知る。
著者等紹介
クーリー,レイモンド[クーリー,レイモンド][Khoury,Raymond]
1960年レバノン生まれ。ベイルートのアメリカ大学で建築学を学ぶ。大学卒業の数週間後、レバノン戦争が勃発したため国外脱出し、ロンドンで建築関係の仕事に就いた後、フランスのビジネス・スクールでMBA(経営学修士号)を取得した。その後、ロンドンの投資銀行で働くが三年で退職、映画産業に投資している銀行家と知り合ったことから脚本家としての道に進み、テレビや映画のプロデュースにも携わる。2005年に刊行した処女作『テンプル騎士団の古文書』は大きな話題を巻き起こし、アメリカのNBCテレビでミニシリーズ化された
澁谷正子[シブヤマサコ]
1957年生、早稲田大学第一文学部卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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GaGa
45
間違えて下巻から先に読みだしてしまったのかと思わせるほど、初っ端からハイテンション、ハイスピードで話は進み、正直疲れる。謎のイラン人は極悪すぎてもうこの時点で謎ではない気もしてくる(笑)どうにか、いいところはないかと探したら、ありました、カバーデザイン。二つ並べるとなんとも美しいデザインでポスターとして飾りたいぐらい。2012/01/14
RIN
11
下巻はいきなりテンション上がるスピーディな展開。宗教が非日常な日本人には完全には理解できないのかもしれないが、何百年も昔の文書がひょっこり出てくる、なんて設定もヨーロッパならありそうに思えるところからして宗教の存在感が全く異なる。キリスト教の信仰の根幹を揺るがす存在がこれだけ小説になるということは、何かしらキリスト教圏にも宗教の位置づけに変化が起きているのだろうか。謎というより隠しておきたい存在を表に出したくない印象が強いが、信仰心というものの本質を考えさせられるいつものレイモンドクーリーだった。2012/08/05
siva
10
テンプル騎士団の創設を核として現代の宗教がらみのテロにも通じるお話。前作で残された謎はわりとあっさり解決。カッパドキアの地下都市とか宗教儀式のセマとか、ニカイアの公会議とか、世界史好きなワタクシとしてはたまらない場面が沢山。ダヴィンチコード以降この手の話は山ほどあるけれども。ストーリーはいいんだけど、とにかく主人公が嫌。嫌い。笑。信じ込んだら突っ走る女性主人公、ってよくあると思うけれどもこの本の主人公はかわいげがないのだ。敵役もステレオタイプだし。深みがないんだなあ・・話自体は好きなのでもったいない。2015/05/16
蒼
3
展開がどんどん進みそれに伴ってコンラッドが持っていた物が明らかになっていき面白かった。宗教感が薄い日本人から見れば実感がないかもしれないが、緊迫した描写などがしっかりとしていてたとえ宗教に興味がない人でも楽しんで読むことができると思う。またこの作者の本を読んでみたい。2013/03/17
くま
3
一気に読み切った!面白かったなー。同じ場所で時代が交錯している感じとか、たまりませんな。内容としては暗くて、重くて、ハッピーな感じは全くないんだけど、読んだぜーっていう感じは強い。2012/05/03