ハヤカワ文庫
闇の王国

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  • サイズ 文庫判/ページ数 416p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784150412388
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

私の名はアーサー・ブラック。これまでに二十七冊の「ミッドナイト」シリーズをはじめ、三十年以上にわたって多くの作品を書いてきた。金を稼ぐために。そしていま、八十二歳になったいま、私がまだ本名のアレックス・ホワイトを名乗っていた十八歳の頃の経験を記そう。これは実際にあった話だ。信じがたい、とてつもない恐怖の数々が記されているが、何から何までが事実なのだ…伝説の巨匠が満を持して放つ、最新長篇。

著者等紹介

マシスン,リチャード[マシスン,リチャード][Matheson,Richard]
1926年ニュージャージー州生まれ。第二次世界大戦には少年兵として従軍。1950年にホラー短篇「男と女から生まれたもの」で作家デビュー。1953年には長篇デビューをはたした。三度にわたって映画化された『アイ・アム・レジェンド』(1954年)をはじめ、SF、ミステリ、ホラーなど幅広いジャンルで数多くの傑作長短篇を発表。また脚本家としても知られ、「ミステリーゾーン」などの人気TV番組や劇場映画でも活躍した。自身の監督デビュー作でマシスンの短篇「激突!」を原作としたスティーヴン・スピルバーグや、スティーヴン・キング、ディーン・クーンツら多くのクリエイターに影響を与え尊敬を集めている

尾之上浩司[オノウエコウジ]
英米文学翻訳家、評論家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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sin

70
82歳の人気作家が綴る十代の終わりに経験した恐怖の実体験という体で語られるから期待して読んだが肩透かしを食らってしまった。若者の語りはくどくどしいし、愛欲に眩んだその行動は言い訳めいて一貫性を持たない。おまけに頻繁に老作家が現れ出て、文章の韻を踏んだとか表現の出来不出来を自ら評して差し挟むのがうっとおしい。中盤の魔女のくだりはなかなかのストーリーだが、それに続く彼を溺愛する妖精の存在は作者のご都合主義としか思えない。その幕引きも尻切れトンボな印象は否めなかった。2016/10/31

GaGa

39
「激突!」や「地球最後の男」など、短編小説の名手と認識していたリチャード・マシスン。高齢となってからこのような長編を執筆されたことに、まず驚かされた。それもファンタジー小説とは(戦争での自己の体験も含まれているのだという)主人公のアレックス・ホワイトは間違いなく作者そのものが投影されているのだろうなあと思うと少し複雑。ルターニャは勿論、マグダのモデルも果たしているのか?2011/11/30

すけきよ

12
マシスンの半自伝的長篇。舞台は20世紀だけど、あちら側に行くことに対する代償は厳しく、お伽話のように原ファンタジー的。しかし、注目すべきはそのストーリーではなく、82歳の主人公が18歳の頃を回想するという構造。60年前の経験を回想する時点で十分に信用出来ない語り手なんだけど、それに加えて校正前の原稿のようなスタイルが輪をかけて怪しい。怪異はどうとでも解釈でき、その真意を確かめることは無意味で、これはマシスンの半自伝的小説であると同時に、アーサー・ブラックの半自伝的小説という、入れ子(?)構造になっている。2011/08/10

つるら@turulaJB

11
尾之上浩司訳 2011.8 ■二つの王国に関わった青年時代を82歳の老作家が回顧する。やたら韻にこだわってるのでルビが多く、訳者の苦労が偲ばれる。原文だと意図的なスペルミス等も多いらしいがそのへんはスルーしてくれているので助かる。■ホラーかと思っていたけどちょっと怖めのFTといったところか。少々物足りなかったのは晩年の作だからか?2018/12/17

ごった

5
ミステリーかと思って買ったら、ファンタジーだった一冊。原文で読めたら面白いんだろうなぁという表現がたくさん。中盤がちょいとだれましたが、ラストに向かっては中々良い感じじゃないでしょうか。424ページのお遊びも素敵です。2011/08/28

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