内容説明
クレアはタイムトラベルで会った未来の男と、奇妙な恋に落ちていった。やがて、謎の武器で胸に大きな穴を開けられた死体が発見される。犯人の調査を開始したウエルズは、現場の壁に、書き上げたばかりで誰も知らないはずの小説『透明人間』の冒頭が記されていることを知り、愕然とする。そして、さらなる殺人事件が起き、意外な犯人とウエルズ自身の想像を絶する秘密が明らかに!愛と冒険と仕掛けに満ちた驚愕の小説。
著者等紹介
パルマ,フェリクス・J.[パルマ,フェリクスJ.][Palma,F´elix J.]
1968年スペイン南部アンダルシア地方の港町サンルーカル・デ・バラメダ生まれ。1998年に短篇集El vigilante de la salamandra(火とかげの守り人)で作家デビュー。その後、短篇集を3冊、長篇を2冊発表し、2008年に新人作家の登竜門のひとつであるセビリア学芸協会文学賞を受賞した『時の地図』を出版、ベストセラーとなった。現在は小説を執筆するかたわら、新聞のコラムニスト、文芸評論家としても活躍している
宮崎真紀[ミヤザキマキ]
東京外国語大学外国語学部スペイン語学科卒、翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
藤月はな(灯れ松明の火)
53
第一部は、タイムマシンを使って切り裂きジャックの被害者であるメアリーを救うSF。第二部でその真相が明らかに。しかし、第三部で混乱の淵に叩き込まれることに。「えっ、じゃあ、どうなるの!?」と思っていたらまさかの展開へと。結局、パラドックスは起きなかった。しかし、消えてしまったと思う並行世界は確かに存在しているのだ。この事実だけが彼にとっては救いかな。切り裂きジャックの真相には色んな意味で驚いたけど、一番、現実的な回答だと思います。2014/12/01
Nat
42
第三部になるとまたSF調な内容に。このまま終わるのかと思っていたら、最後にまたがらっと転換。タイムトラベルに振り回されつつ終了。面白いけど、読む人を選ぶ小説かも。2023/02/18
GaGa
36
久しぶりに思い切りやられた感がある。贅肉をすべて取り去ったら、完全な鶏がらだとは言え、スープの出汁にはなる。しかし、その出汁はたいした味ではなく、スープとしての評価は出来ない。異論はあるかもしれないが、私にはその程度にしか評価できない作品である。2011/03/23
もち
23
「きみの人生か私の人生か。きみが思ったとおりにすればいい」◆偽りのはずだった――。令嬢と未来の将軍の、時を超えた愛のため奔走するウエルズ。彼の常識は再三砕け散る。宿敵からの依頼が招いた非日常。未知の凶器による連続殺人に巻き込まれ、数奇な真実に行き着く。■凄まじい知的興奮と共に、各章が繋がる終盤に唖然。空想の深淵に放り出され、織り成されるはずの物語に打ちのめされ、スケールに震え上がり、伏線回収に膝を打ち、「彼」の運命に涙して。感情の暴風雨を見送った後の、穏やかな満足に、ずっとずっと浸っている。2018/04/20
RIN
18
下巻も「何を書いてもネタバレ」状態(笑)。軽快な瀬名秀明さん、といったところか。筋で追うといささかバカバカしいと思えなくもないけれど、科学の発展と人類の進化を考える一つの材料になると思う。著者はこの小説を「電車でカバーを掛けずに読める本を書いて欲しい」と友人に言われて書いたそうだが、その点はクリアではないだろうか。読み手の価値観や倫理観等々の心的土壌がやはり欧州人とは異なるので、そこを受け入れられるかどうかがこの本を面白いと思うかどうかの分かれ目かも。自分は面白くなかったけど面白かったと逃げておくw2015/03/30
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