内容説明
訪ねてきた見知らぬ小男は、夫婦に奇妙な申し出をする。届けておいた装置のボタンを押せば、大金を無償でご提供します。そのかわり、世界のどこかで、あなたがたの知らない誰かが死ぬのです。押すも押さないも、それはご自由です…究極の選択を描く表題作をはじめ、短篇の名手ぶりを発揮する13篇を収録。
著者等紹介
マシスン,リチャード[マシスン,リチャード][Matheson,Richard]
1926年ニュージャージー州生まれ。第二次世界大戦には少年兵として従軍。1950年にホラー短篇「男と女から生まれたもの」で作家デビュー。1953年には長篇デビューをはたした。三度にわたって映画化された『アイ・アム・レジェンド』(1954年)をはじめ、SF、ミステリ、ホラーなど幅広いジャンルで数多くの傑作長短篇を発表。また脚本家としても知られ、「ミステリーゾーン」などの人気TV番組や劇場映画でも活躍した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
藤月はな(灯れ松明の火)
77
短く、展開も読みやすいけど恐怖描写は冴えているマシスンの短編集。「帰還」は夫婦の絆へSF要素故の恐怖が相俟ってより、切なく遣る瀬無いです。そして表題作と「魔女戦線」の最後の一文の恐ろしさは誰でも当て嵌るからこそ、怖いよ・・・。しかし、「子犬」は「子供のため」と言いながらもその子供が言う事を聞かないと脅したり、叩いたり、挙句は見捨てる母親のエゴには「この母親の方が駆除すべき、害悪だ」と思わずにはいられません。『四角い墓場』の筋に覚えがあると思っていたら映画『リアル・スティール』の原作だったのね。2015/12/07
keroppi
76
【日本の夏は、やっぱり怪談】〈其の二・洋編〉イベントに何を読もうかと探していて、この本を見つけた。好きな作家の一人リチャード・マシスンの短編集。ゾッとしたり、ラストに「上手い!」と思ったり。マシスンも脚本で参加していた「ミステリーゾーン」を見ている感じがした。そう言えば「二万フィートの悪夢」は、映画の「トワイライトゾーン」にも入っていたな。2021/07/29
紫
44
「二万フィートの悪夢」は他のアンソロジーで持っていたので読まなかった。一番好きなのは「死の部屋の中で」リチャード・マシスンだけ、なんて凄く贅沢な気分。2013/07/25
ロア
35
こ、こ、怖かったー!!!いろんな種類の「恐怖」が次々と押し寄せてきて、読みながら動悸が止まりませんでした。一見ほんわかかわいい「小犬」の理不尽さと狂気!リアリティあり過ぎて座りくらみする「死の部屋のなかで」、いろいろ痛すぎてもう止めてー!な「四角い墓場」、大人たちの身勝手な傲慢さに思わず吐き気な「声なき叫び」、純粋ホラーを堪能できる「戸口に立つ少女」などなど、全13の短編はどれも素敵に恐ろしかった!(∩^ω^∩)2018/01/31
noby
23
テレビで映画をやってまして、大変面白かったので原作を読んでみました。映画は宇宙人まで登場するスケールですが、原作はわずか15ページの短編です。「ボタンを押せば良いことがあるが、あなたに無関係な悪いことも起きる。押すか押さないか」というのがテーマです。「5億年ボタン」をご存知の方も多いでしょう。同じテーマです。(分かりにくいですがリンクは4ページ分あります)https://goo.gl/unCKTi 2017/07/08