内容説明
エリが越してきてほどなく、体内の血を抜き取られた少年の死体が発見され、郊外の静かな町は騒然とする。その異常な手口から、警察は儀式殺人の線で捜査を開始。やがて一人の不審な男が容疑者として浮かびあがる。一方、オスカルはエリから彼女の出自にまつわる恐るべき秘密を打ち明けられていた…「これほど美しくも哀しいヴァンパイア・ホラーはかつてなかった」と絶賛を浴びた、恐るべき北欧エンターテインメント。
著者等紹介
リンドクヴィスト,ヨン・アイヴィデ[リンドクヴィスト,ヨンアイヴィデ][Lindqvist,John Ajvide]
1968年、スウェーデン、ストックホルム郊外のブラッケベリ生まれ。マジシャン、スタンドアップ・コメディアン、シナリオライターなど多彩な経歴を持つ。2004年に発表した『MORSE』で作家デビュー。翌2005年のゾンビを題材にした第二作Hanteringen av od¨odaもベストセラーになった。「スウェーデンのスティーヴン・キング」の異名を取る、ホラー界期待の新星
富永和子[トミナガカズコ]
英米文学翻訳家。獨協大学外国語学部英語学科卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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nuit@積読消化中
97
面白かった!読み終えてすぐに映画『ぼくのエリ 200歳の少女』も観返す。映画は映画で、原作の雰囲気や世界観そのままにうまく描かれているけど、やはり原作も読んで良かった。主人公オスカルの成長や初恋。そしてホーガンなりにエリを守ろうとしていた小児性愛者の行く末。近所のアル中のガヤたちにも物語があり…。ホラー好きな方、未読の方には絶対お勧めです。ドラマ化のお話も浮上しているので楽しみです。一先ず、著者の『ボーダー 二つの世界』に本書の番外編が入っているようなのでそちらも続けて読んでみます。2019/11/28
🅼🆈½ ユニス™
58
独特な想像力の頂点を魅せた世界絶賛したベストセラー作品。傷ついた2人の魂にこもる友情と愛が読者の心を刺激する。あらゆる匂いが見えるような錯覚。言葉が要らない最高傑作。★5❗️👍🏻2021/02/22
momi
52
ヴァンパイア・ホラー物語!同級生からイジメにあっている「オスカル」その孤独な少年の前に現れた美しい少女「エリ」二人の小さな恋の物語は残酷!エリが生きるために必要な事とは!自分のことを何者でもないと言うエリの秘密が切なくて哀しい物語へと進んでいきます!上巻から衝撃的で残酷描写があったり、エリを手伝っている男の変態度合いに吐き気を覚えますが、少年の心の成長と友情が切なく美しい余韻に浸れる構成になっています! 「僕の友達エリ…きみのエリ…」人間の短い時間でも…二人の心が満たされて温められることを願っています◎2018/04/17
ちえ
43
冷たいスウェーデンの冬。12歳のヴァンパイアの物語。凍り付くように美しく、だからこその恐ろしさ子供の残酷さ。エリを通してオスカーが体験するエリの過去…。ヴァンパイアのエリと、人間のオスカー。オスカーはエリに惹かれながら嫌悪感も感じ、エリもそれをわかっているからこその二人の緊張した関係性。二人の旅はどこに向かうのだろう。いつまで一緒にいられるのか…物語だとわかっていても思ってしまう。今も彼らがどこかを旅していると。2019/12/23
daiyuuki
32
エリが越してきてほどなく、体内の血を抜き取られた少年の死体が発見され、郊外の静かな町は騒然とする。その異常な手口から、警察は儀式殺人の線で捜査を開始。やがて一人の不審な男が容疑者として浮かびあがる。一方、オスカルはエリから彼女の出自にまつわる恐るべき秘密を打ち明けられていた。 映画版でははっきり描かれていなかったエリの出自や家族を捨ててエリと旅立つ決意をオスカルがする心情が、丁寧に描かれていて、映画を見た人でも楽しめます。2015/05/31