内容説明
レバノン南部で遺跡の調査を行なう考古学者イヴリンに、知り合いの男ファルークが見せた写真。そこにはウロボロス(自分の尻尾を飲み込んだ丸い蛇の図)が表紙に型押しされた古い写本が写っていた。彼女は写本を買ってほしいと頼み込まれた。その夜、彼女はファルークと再び会うが、謎の男たちに拉致されてしまう。偶然その場面を目撃したイヴリンの娘ミアは、アメリカ大使館員のコーベンとともに母の行方を追い始める。
著者等紹介
クーリー,レイモンド[クーリー,レイモンド][Khoury,Raymond]
1960年レバノン生まれ。ベイルートのアメリカ大学で建築学を学ぶ。大学卒業の数週間後、レバノン戦争が勃発したため国外脱出し、ロンドンで建築関係の仕事に就いた後、フランスのビジネス・スクールでMBA(経営学修士号)を取得した。その後、ロンドンの投資銀行で働くが三年で退職、映画産業に投資している銀行家と知り合ったことから脚本家としての道に進み、テレビや映画のプロデュースにも携わる。2005年に刊行した処女作『テンプル騎士団の古文書』は大きな話題を巻き起こし、アメリカのNBCテレビでミニシリーズ化された
澁谷正子[シブヤマサコ]
1957年生、早稲田大学第一文学部卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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RIN
9
デビュー作の前作『テンプル騎士団の古文書』が映画を見てるような華々しさで物語が始まったのに対し、本作は割りと地味な滑り出しの上巻。紛争の続くレバノンが舞台であり、中世のこの辺りの歴史にも詳しくないため、説明過多な印象もある上巻は自分にはありがたかった。物語の「前提となる基礎知識編」的な上巻。下巻はレイモンド・クーリーらしいスピード感と視覚的描写が秀逸な歴史サスペンスが動き出すだろうか。楽しみ。2012/05/23
三月★うさぎ
2
バタバタしてるだけで上巻が終わってしまった。ここからどう広がっていくのか楽しみ…広がっていくのか?2010/01/04
コギコギ555
1
舞台はレバノン。もともとのイメージはレバノン杉、フェニキア人、紛争地帯ってとこか。本書では30年前のイラクでの発掘調査に端を発した誘拐事件からストーリーが展開する。そして過去現在と登場人物が多い!でもシーン毎にさくっとまとまっているのでだらだらした感じがなくて読み易いからあら不思議。結局のところ、イスラム科学が花開いた中世に一体何が見つかり、どんな秘密があるんだろう。主人公ミアが遺伝学者だから、その辺に関係してくるんだろうか。イヴリンが無事だといいなぁ。2018/05/16
どんまいシリル
1
テンプル騎士団は以前読み、面白かったような気がするが、肝心なところが思い出せない。この物語とは関係あるのかな?ウロボロスの謎が、出し惜しみされてて、イライラしながら次巻へ。2013/11/04
himehikage
1
歴史上の実在の錬金術師たちが、現代の物語にどう関係してくるのか?2009/08/02