内容説明
ついにキッドは海尉艦長に任命された。だが自らの指揮艦を持つ喜びも束の間、艦長の重責と孤独が彼にのしかかる。キッドは試行錯誤しながらも急送公文書の送達、索敵などの任務に全力を注ぎ、やがて待望の手柄を立てた。しかしその矢先、英仏両国の間でアミアンの和約が締結される。長期にわたる戦争の果てに訪れた平和が、キッドらにもたらすものは?水兵から提督に昇りつめる男の物語はここに大きな転換点を迎える。
著者等紹介
ストックウィン,ジュリアン[ストックウィン,ジュリアン][Stockwin,Julian]
1944年イギリスのハンプシャーに生まれる。15歳でイギリス海軍に入隊するが、両親のオーストラリア移住にともないオーストラリア海軍に移った。下士官で退役後、教育心理学とコンピュータを学び、その後イギリスに戻る。1997年からギルフォード・カレッジでソフトウェアのプログラミングをパートタイムで教え始め、同時に執筆活動を開始した。2001年に「海の覇者トマス・キッド」シリーズ第1作『風雲の出帆』でデビュー後、たちまちのうちにベストセラー作家の仲間入りを果たす。妻のキャシーとデヴォン州アイビーブリッジに在住
大森洋子[オオモリヨウコ]
横浜市立大学英文科卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ゆずこまめ
6
トントン拍子に提督まで登りつめるのかと思っていました。そうじゃなかった。キッドもレンジも、ここからが正念場かな。がんばれー!2016/09/28
沼田のに
3
順調に出世して艦長になったけど挫折の日々というのが渋い。優等生のレンジもキッド以上に挫けている。船底にいる護送囚人の描写は匂いそうだ。この巻を爽快な青い海のようにしなかった作者は偉い。おかげで鬱憤晴らしの次巻が楽しみだ。7/102015/03/03
鐵太郎
2
運良く単独の指揮官となったキッドの、キッドらしい失敗とキッドらしからぬ落ち着きがこの本の主題でしょうか。士官候補生のバウデンをはじめとする数人が彼に心服したらしく付いてきたのですが、この少年はティーザー号の士官候補生の定員から外れてしまったため、なんとかしなくちゃとキッドのとった処置が面白い。とは言っても人員不足、装備不足、艦長の経験不足は深刻。ふう。2009/05/01
fourthwindow
2
レンジはオーストラリアでなにをしたかったのだろう。2009/05/11
ぶーにゃん@積ん読本解消中
2
やっと下甲板から艦長へ出世したキッドのとまどいに共感します。指揮官は部下に責任を持たなくてはならないため、常に孤独な存在なのです。2009/05/08
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