内容説明
ある夏の夜、マジック・ショーの舞台でわたしは見た。自分そっくりの男が、身につけた物を目にも止まらぬ早業で、女魔術師に次々と奪われるのを。だが、その男は…奇妙な出来事をシニカルに描いた表題作「瞬きよりも速く」をはじめ、夜ごと庭に現われる若い女への揺れる心情をつづる「芝生で泣いてる女」、三人の偉大な作家に捧げるレクイエム「最後の秘跡」など21の短篇を収録。幻想の魔術師が贈る詩情に満ちた傑作集。
著者等紹介
ブラッドベリ,レイ[ブラッドベリ,レイ][Bradbury,Ray]
1920年、イリノイ州生まれ。1947年に最初の短篇集『黒いカーニバル』が刊行され、1950年にはブラッドベリの最大傑作といわれる『火星年代記』が、1953年にはディストピア的未来世界を描いた長篇『華氏451度』が刊行された。そのほか、『刺青の男』(1951)、『太陽の黄金の林檎』(1953)、『メランコリイの妙薬』(1959)、『よろこびの機械』(1964)と、奇想に満ちたイメージ豊かな短篇集を発表しており、幻想作家ブラッドベリの名声と評価を不動のものにした(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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あや
2
素晴らしかった。特に気に入ったのは、「石蹴り遊び」「芝生で泣いてる女」「交歓」。読み終えてため息。なかなか余韻がさめやらず……。嗚呼、なんて素敵なんだろう。ブラッドベリが紡ぎ出す美しい世界は、本当に深く心に染み入る。他、「忘れじのサーシャ」「またこのざまだ」「電気椅子」「優雅な殺人者」「バッグ」「レガートでもう一度」がよかった。2009/05/15
東森久利斗
0
「生きるなら走れ。そう、そのとおり。生きろ。そして書け。全速力で。」あとがき、末尾三行だけでも読む価値充分。ブラッドべりから背中を叩かれ叱咤激励された思い。まだまだ、走り続けられる。そんな気持ちにさせられる。2016/03/06
鈴音
0
字が大きくてレイアウトがちょっと気になった。中身の方は雑誌なんかにとんとんとんとこういう珠玉が作品が掲載されていたんだなと思って、その時代がうらやましくなった。2015/11/08
らむだ
0
じぶんの中ではこれがブラッドベリ最高作品で…す(*'-'*)2006/04/22
oyatsudoki
0
最初の「Uボート・ドクター」で、今回は気が狂ってる系でいくのかと思ったら、割りと綺麗な話も多い。「優雅な殺人者」の痛快さと「無料の土」のある意味で予想を裏切る結末が好き。一番読み応えがあったのはあとがきの作者の言葉だが…。2012/05/03