内容説明
第二次大戦のヨーロッパの戦争が終結した直後、1945年夏。アメリカの雑誌特派員ジェイク・ガイスマーは、瓦礫と化したベルリンを取材で訪れた。この地には特別な思いがあった。戦前、CBS放送のベルリン駐在員だった彼は、数学者の妻レーナと恋に落ちたが、戦火が迫り別れたのだ。再会を願い、彼はレーナを捜し始めるが、その一方で歴史的なポツダム会談の取材に赴く。だが、そこで謎めいた米兵の死体と遭遇することに…。
著者等紹介
キャノン,ジョゼフ[キャノン,ジョゼフ][Kanon,Joseph]
1997年に、原爆開発のためのマンハッタン計画を背景にしたサスペンス小説『ロス・アラモス 運命の閃光』で作家デビュー。それ以前には長年にわたって出版社に勤務し、編集や経営に携わっていた。同書はアメリカ探偵作家クラブ賞最優秀新人賞を受賞するなど高い評価を受けた
澁谷正子[シブヤマサコ]
1957年生、早稲田大学第一文学部卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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goro@the_booby
31
廃墟となった終戦直後のベルリン。かつて不倫の関係にあった恋人を探しに戻ってきた記者が目撃したのはソ連領のポツダム会談が行われる場所で大金を所持した兵士の死体。混沌とするベルリン。事件対してあまり関心を示さない軍部。ちょっと冗長気味ではあるけども漸く物語が動き出したかなと言うところで下巻へ続く。2016/01/09
Cinejazz
8
1945年7月、戦前にCBS放送のベルリン駐在員だったアメリカ雑誌社の特派員<ジェイク・ガイスマ->は、戦勝国三巨頭によるポツダム会談の取材のため、廃墟と化したベルリンの街を訪れた。彼は、ソ連軍侵攻の前に別れた、ドイツ人数学者の人妻<レ-ナ・ブラント>を忘れらず、再会できる望みを捨てきれずにいた。だが、ポツダム会談の直前、アメリカ陸軍公安部の中尉の不可解な死に遭遇し、米ソの新たな戦争の発火点となりかねない殺人事件の調査にのめり込んでいくことに・・・。終戦直後の激動のベルリンを舞台に、歴史・謀略・↓2024/09/01
Steppenwolf
1
ベルリンには縁があるというか縁を切りたくないとの思い入れから読み始めた。上下読み切ってから感想を書くべきだが,下を読了するには時間を要すると思うので先に上だけの感想を記す。いかにもアメリカ人が書いた小説である。主人公の行動は決してヒーロー的でない点で多少変化を持たせているのかもしれない。上の最後の方になって戦争の生々しい駆け引きによる陰謀が本書のテーマであることが分かった。下でどれくらい現在の低評価を挽回できるか。本書より未訳ではあるがピエール・フライのベルリンという作品の方が共感を持って読み進められる。2007/11/15
yooou
0
☆☆★★★2007/04/29