内容説明
一カ月におよぶクリスマス巡航を終えてリスボンに向かう大西洋航路上の巨大客船ポセイドン号は、突如津波に呑まれ、転覆した。ボイラーは爆発し、機関室は破壊され、断末魔の叫びがこだまする船内を、濁流の渦が襲う。上下が逆さまになった船内に閉じこめられた生存者のグループは、一人の不屈の牧師をリーダーとし、竜骨のある上部空間を目指して至難の登攀を開始した。だが行く手には、危険きわまりない障害の数々が。
著者等紹介
ギャリコ，ポール［ギャリコ，ポール］［Ｇａｌｌｉｃｏ，Ｐａｕｌ］
１８９８年ニューヨーク生まれ。「ニューヨーク・デイリー・ニューズ」で、名物スポーツ・ライターとして名を知られるようになり、後に小説家に転身。短篇ではオー・ヘンリー賞を受賞している。１９７６年没
高津幸枝［タカツユキエ］
国際基督教大学教養学部社会科学科卒、英米文学翻訳家（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
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セウテス
57
新訳版上巻、映画｢ポセイドン・アドベンチャー｣1972年の、リメイクが作られたのに併せて上下巻に分冊された。物語は大型客船ポセイドン号が、海底地震に見舞われ転覆してしまうもの。船は上下が引っくり返っているものの、大きな被害には感じない。このまま助けを待とうとする大勢の中、浸水する前に海上の船底を目指すべきと一人の牧師が訴える。実は先に映画を観て、私の人生に多大なる影響を受けたと言える作品なのです。他人の命を救う為に精一杯動いたとしても、救えない命はある。助かる為に行動したとしても、意見の相違は起こるのだ。2017/09/17
TSUBASA
19
巨大客船ポセイドン号が海底地震によって転覆する。奇跡的に助かった乗客たちが、試練に立ち向かうスコット牧師を先頭に脱出を目指す。それは海神に対する挑戦だった。私が好きな映画ベスト５に入るくらい好きな『ポセイドン・アドベンチャー』の原作。2006年リメイク時に再訳、改題されたもの。乗客のヒステリーがより過激だったり、死が容赦無く描かれていたり、死に瀕した故の捨て鉢で不倫や強姦に走る人物が現れるなど、映画よりも阿鼻叫喚っぷりが細かく描かれている。行方不明になったロビンの捜索が続けられているところで下巻へ。2020/08/12
Kouro-hou
12
72年のパニック映画「ポセイドンアドベンチャー」のがっかりリメイク映画に合わせて出た原作の新訳分冊版である。とろとろ読んでいたら韓国で見た目髣髴とさせる上下転覆の沈没船事故が起きてしまって欝である。 原作も映画も大筋は一緒だが、映画は論点や人物が整理統廃合されており叙事詩的と言える。原作は群像劇的で、ハリウッドプロテクトなんてものもないので女子供にも容赦なく、努力は報われず、世界は常に不条理である。映画版の牧師ハックマンは相当キテる役でしたが、原作の牧師はある意味もっとイカれております。2014/04/26
ryuetto
4
「神は勝者を望まれる！ 神は挑戦者を好まれる」「簡単に諦める者や、泣き言をいう者、物乞いをする者に、神は用がない。あなた方が耐えるように求められる試練はすべて、神を崇める行為です」「自尊心を持ち、独力で立ち上がるのです、そうすれば、神を尊び、神のために立ち上がることになる。神の助けが得られなければ、独力で行う根性があることを神に知らせるのです」「独力で闘いなさい、そうすれば、神は招かれずともあなた方の味方になって闘ってくださいます」印象に残った言葉をメモ。さすが体育会系の牧師。言うことが違う。2019/07/02
topo
1
感想は下巻へ。2022/05/30
