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ハヤカワ文庫
シブミ〈下〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 340p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784150411060
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

「シブミ」とは、ありふれた外見の裏に潜む洗練、日本的精神の至高の境地をさす。少年期に日本人の岸川将軍から「シブミ」の思想を学び、青年期に大竹七段から囲碁の手ほどきを受けたニコライ・ヘルは、いまや世界屈指の暗殺者となっていた。ハンナを護る決意をしたヘルだが、「マザー・カンパニイ」はCIAや警察をも支配下に置き、包囲網をせばめてゆく…美しく華麗な自然描写と迫真のアクションが融合した冒険巨篇。

著者等紹介

トレヴェニアン[トレヴェニアン][Trevanian]
覆面作家。1972年にジョナサン・ヘムロックを主人公にした『アイガー・サンクション』を発表し、冒険小説として高い評価を得る。2005年12月14日に逝去。本名がロドニイ・ウィリアム・ウィテカーであることがわかっている

菊池光[キクチミツ]
英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

*maru*

33
前半の洞穴探険の描写が素晴らしかった。クライミング・ケーブなどの自然発生的なカオス空間を進むニコライ・ヘルと友人のル・カゴ。ル・カゴのキャラも良い。そしていよいよニコライとハンナが接触し、影の政府・マザー・カンパニーと対決となる。ハナとニコライの日本庭園でのラスト、後半の洞穴シーンも良かったなぁ。この元暗殺者がなかなかの男なんです。“シブミ”や“裸・殺”を会得し、“近接感覚”なるものを持ち女性にもモテる。ねえねえ、“性的経験の第四段階の高度の技術”とか“かみそりの悦楽”ってどんなのよ、ニコライさん。2018/02/10

12
抜群におもしろい冒険小説にして、とても優れた日本文化論。ハンニバル・レクターのことが好きな人はきっとニコライ・ヘルのことも好きになると思う。東西の思想、哲学の比較の箇所については木田元の「反哲学入門」を思い出した。木田さんがこの本を読んだらどんな感想を抱いたか知りたかったな。頭の中でハンナはナタリー・ポートマンで、ハナはベレニス・マーロウを想像していた。でもヘルのイメージはデビッド・ボウイなので私が石油王で制作費を出せたとしても映画化できないのがとても残念。2016/11/09

アーチャー

5
〝日本を誤解してるんじゃないか?〟と思って読むのを躊躇してましたが、まさに日本のシブさをうまく描いた作品です。タイトルで読むのを迷っている人は読んで損はないと思いますよ。2011/02/23

ひなた

3
★★★★血筋としては欧州だが文化的には日本人、無国籍な元暗殺者ニコライ・ヘルが繰り広げるスパイ・スリラー。冒険・アクション物としても勿論面白いが、何より興味深いのは作者の様々な国・地域的文化への造詣の深さとその評価である。<シブミ>等日本独特の言葉に対する説明も的確で鮮やかだ。晩年のヘルはアメリカナイズされた日本人に愛想を尽かしバスクで生活している。彼の生き方や美意識は、失われた日本古来の文化について再考する機会となった。海外の小説に気付かされるのも皮肉だが、このように理解されていることは非常に嬉しい。2013/03/27

goldius

3
恥を知る本当の誇りある生き方をしたい男はこれを読め!2007/09/04

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