内容説明
日常の現実に忍び込む、説明しがたい超自然的存在によってもたらされる恐怖。“モダンホラー”の魅力は、まさにそれを描きだすことにある―ポーランド出身のノーベル賞作家アイザック・バシェヴィス・シンガーの表題作をはじめ、ロバート・ブロック、ジーン・ウルフ、クリフォード・シマック、ラムジー・キャンベルなど、SF、ホラーの一流作家が紡ぎだすダークな異形世界。常ならざる恐怖に彩られた物語九篇を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
aki
3
隠喩というか、直喩というか、『夏の終わるところ』に登場する猿に似た怪物は日本人のことだね。主人公の友人の古物商が所有している怪物の頭蓋骨のことを友人は「日本のショーグンの頭蓋骨」といってるし、作者は当時、あちこちにはびこるようになった日本人が大嫌いなんでしょ。そういえば、佐藤史生のツタの出てくる作品(タイトル、忘れた)も、この作品にインスパイアされたのかもしれん。ジーン・ウルフの作品、ピンとくるキャラがいなかったが、娘が教えてくれた。なるほどね。「夢の主」にふさわしい気持ち悪さ。日本では知られていない。2021/07/08
海さん
2
ホラーって難しいんだ…。確かに背景をしっかり書き込んでいないと、途端にうさんくさくなるなあ。リアルな描写に何度も「欠落」させられた。2018/09/13
Takashi Edamoto
2
古典、といわざるを得ないが、年代を考えれば古典なので致し方ない。 文章は堅いものが多いし、描写がくどいなど、今の文学に親しんでいるとあまりよいものではないものが多いことは確かだが、古典であるが故にしっかりとしたホラー(より古く、怪奇、恐怖小説と言った方がよいか)が楽しめる。 ショックを受けるようなものは無いが、訳も無く後ろを振り返りたくなるようなものは多い。2016/03/04
くさてる
2
書き下ろしホラーアンソロジー。少し感覚的に分かりにくい作品が多かった印象。グラント「赤黒い薔薇の庭」が古い怪奇小説の香りがあって、とくに良かった。2011/06/27
ジョニー
1
あまり印象の残る作品はなかった。終わりなき戦いのホールドマンの短篇があるがSF色やホラー度も低かった。2013/09/28