内容説明
ボクサーとしての成功を夢み、ウェイトレスをしながら自己流のトレーニングに励むマギーは、ベテラン・トレーナーであるフランクの門を叩く。昔気質のフランクは女性を拒むが、熱意に負け、二人三脚で頂点を目指すことにする。意外な素質を見せ、連勝街道を突き進むマギー。場末のリングからヨーロッパ遠征、そして世界の頂点が見えたとき、悲劇が見舞った…ボクシングに生きる人々の喜怒哀楽に彩られた、感動のドラマ。
著者等紹介
トゥール,F.X.[トゥール,F.X.][Toole,F.X.]
本名ジェリー・ボイド。1930年カリフォルニア生まれ。海軍除隊後、メキシコで闘牛士をしたり、バーで働いたりし、三度の結婚と離婚を経験した。50歳近くなってからボクサーを志すが、その後トレーナー、カットマンに転じた。1996年に心臓発作を起こしたのをきっかけに筆を執り、2000年に70歳にして『ミリオンダラー・ベイビー』で作家デビューを飾った。2002年9月12日、心臓手術を受けたカリフォルニア州トーランスの病院にて、死去。享年72歳
東理夫[ヒガシミチオ]
1941年生、作家・翻訳家
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっし~
4
読書会「Smalltalk」(vol.6) 読み友さん推薦本。クリント・イーストウッド監督で映画化された表題作をはじめ、自身、ボクサーだった著者の経験が十二分に生かされたボクシングにまつわる短編集。スポーツの中で人類最古の歴史を持ち、あまたの種目を抑えて超の付く大金が動くボクシング。完全に産業化され、その周囲には社会の光と闇をデフォルメしたような縮図が展開される。乾いた文体が不思議な抒情を湛える出色の小説集。紹介してくださった(ご自身もボクサーの)読み友さんに感謝。2019/11/14
ワッピー
3
トレーナーやカットマンも、そしてチャンプも束の間のスポットライトを浴びて、輝き、くすみ、そして消えていく。「ミリオンダラー・・」「凍らせた水」は胸が熱くなりました。2011/10/18
ペルーサ
2
近所の本屋、ブックオフをかなり探したが新品でも見つからなかったので「アマゾンか」と思ってたんですが実家に帰省した際に偶然ブックオフにて発見したまでは感動だったが、映画のほうが面白かった。2014/04/28
ラブミーテンダー
1
映画原作以外は正直それほどとも思えなかった。2014/06/09
paluko
1
善いもの、美しいものはいちいち記述されると気が遠くなるような精進の積み重ねの果てにしか訪れないけれども、悪意と破壊は一瞬でその仕事を終えることができる。最後には誰も例外なく倒れたままでテンカウントを聞くことになる。けれどそこに至るまでの磨き抜かれた細部の描写がすばらしい。2011/10/22
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