内容説明
人には、絶対にしてはいけないことがある。神を超越しようとすること、背徳の愉しみを得ること、自然の摂理に反すること…そして、その禁忌を破ったとき、恐怖が襲いかかる!未来を知る手段を手に入れた夫婦に見舞った恐怖を描くリチャード・マシスンの表題作や、鬼才フレドリック・ブラウンの筆が冴える「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」など、比類なき名手たちが競演する、傑作ホラー短篇13篇を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
くさてる
17
幻想怪奇短篇アンソロジー。ちょっと玉石混合感はあるけれど、玉が多くて満足です。フレドリック・ブラウン「アイネ・クライネ・ナハトム・ジーク」の謎めいた冒頭からたどりついた結末までの見事な流れに溜息。オーガスト・ダーレス「もう一人の子供」の、せつなくて少し甘いお話も良い。ロバート・ブロック「こころ変わり」は、題名の意味に読み終わって気づいて…。レイ・ブラッドベリ「死人使い」は、リリカルな作風とおもわれがちな作者の暗黒面が良く出ていて、面白かったです。2015/09/12
翠埜もぐら
16
「幻想と怪奇」シリーズ本のようで後の2冊を探さないと。フレドリック・ブラウンやレイ・ブラッドベリなどそうそうたる顔ぶれですが、題名から考えていたのと中身が違いすぎる話が多くて、うむ、侮ってはいけませんでした。アイネクライネナハトムジークではじまったのに、ハーメルンの笛吹きだったとか、あのオーガス・ダーレスなのでラブクラフト風味かと思えば、M.R.ジェイムズだったり。ブラッドベリの「死人使い」は葬儀屋の事かと思いきや、殺されてしまうおじいさんの事だったのね。コメディ風味でした。ごちそうさま。 2022/07/09
shamrock
15
不思議な話と怪談。ブラウン、ブロック、カーシュ等々、名手の短編集。どれもよかったが、気に入りはブラウン「アイネクライネナハトムジーク」コリア「特別配達」ブラッドベリ「死人使い」あたり。2018/01/04
bookkeeper
11
★★★☆☆ 「こころ変り」可憐な美少女に恋した青年。過保護な時計職人のおじいさんが恋愛の障害で…。題名まで含めて一つの無駄もない精密な短編。 「死人使い」鬱屈した感情を溜め込んだ葬儀屋の禁断のストレス解消法。ラストのブラック過ぎるオチが苦い笑いをもたらす。 1巻2巻の様な強烈なインパクトのある作品がやや少ないのと、たまに「ん?うぅーん…」(-.-;)みたいなのも混ざるけど…。どれが面白かったか話し合ったり、アンソロジーの楽しみを満喫できます。それぞれのお話しが短いので、寝る前のお楽しみにもどうぞ。2018/07/09
KAZOO
9
三部作の最後の本ですが、あまり有名でないものが最後に残ってしまったという感じがします。前の2冊が結構インパクトを与えてくれたのですがここに掲載されているのは比較的おとなしい感じの話が多かったように思いました。2013/09/17