内容説明
結婚し双子の女児の父親となったジャック・オーブリーは、乗艦のない不本意な陸上生活を送っていた。そんな彼に、モーリシャス方面の戦隊を指揮する戦隊司令官という役職が与えられた。インド洋の英国海上貿易に対するフランス軍の妨害拠点となっているレユニオン島とモーリシャス島の二島を攻略せよというのだ。まずはマチュリンが秘密裡に潜入して得た情報をもとに、レユニオン島に上陸した陸軍部隊が攻撃を開始した。
著者等紹介
オブライアン,パトリック[オブライアン,パトリック][O’Brian,Patrick]
本名パトリック・ラス。1914年、イングランド生まれ。その後フランスに移り住む。30年から作品を発表するが、オブライアン名義では52年のTestimoniesが最初となる。その後70年に『新鋭艦長、戦乱の海へ』で『英国海軍の雄ジャック・オーブリー』シリーズの執筆を開始し、全20巻で完結させた。95年には長年の文学への貢献が認められ、ヘイウッド・ヒル賞の初代受賞者となったほか、97年にダブリン大学トリニティ・カレッジより名誉文学博士号を授与された。2000年没
高津幸枝[タカツユキエ]
国際基督教大学教養学部社会科学科卒、英米文学翻訳家
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感想・レビュー
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Hotspur
3
シリーズ第4作。原題は "The Mauritius Command"、つまりモーリシャス方面の作戦が主題。前作から時間が経ち、オーブリーは一家を構えて双子の女児の父となり、不如意な生活を送っている、という冒頭。マチューリンの陰の運動によりオーブリーは艦隊司令官(コモドール)に任命され、モーリシャスに出撃する。上巻はレユニオン島攻略がヤマだが、一筋縄ではいかない性格を持った艦長連中のとりまとめに腐心するオーブリーや、時折挟まれるマチューリンによる主要キャラに対する鋭い洞察に特色があり、読み応えがある。2022/11/20
スー
0
実際にあった戦闘を舞台にした話。モーリシャス要塞の前にレユニオン島の守備隊を降伏させ、砲台も破壊した下巻ではモーリシャス攻略戦、楽しみだ2015/07/05
鐵太郎
0
気位ばかり高い義母のウィリアムズ夫人が自分の財産を失い、ソフィーの持参金まで使い果たして転がり込み、主人面して家を目茶苦茶にしていてもじっと耐えているオーブリーに、たずねてきた親友スティーヴンがこう聞きます。 ──38門フリゲート、ボアディシア号を指揮して南海、南アフリカのむこうに行く任務につく気はないか、と。しかも何やら普通と違う旗を翻すことになるらしいが、どうかな? 嫌かい?── さあ、冒険の始まりだ!2009/05/15