内容説明
謎のビデオを追うスティーブンは嘆きの壁に秘密が隠されていることを突き止める。そこには現世から完全に隔離された古い修道院があった。ビデオはここで守られてきたに違いない。ついに映像が見られると興奮する彼に、メディア王の放つ私兵と、バチカン秘密部隊の恐るべき魔手が追っていた。ロマン眠る砂漠の地を舞台に展開する、壮大な冒険小説。ドイツ・エンターテインメント小説の最高峰クルト・ラスヴィッツ賞受賞作。
著者等紹介
エジュバッハ,アンドレアス[エジュバッハ,アンドレアス][Eschbach,Andreas]
1959年、ドイツのウルム生まれ。シュトゥットガルト大学航空宇宙工学科卒。コンピュータ・コンサルタント会社の経営を経て、96年から専業作家に。デビュー作Die Haarteppichkn¨upfer(95年)は、ドイツSF賞を受賞。SFと冒険小説をこれまでにない壮大なスケールで融合させた作家として、ドイツ文学界の絶賛を受けた。その後も、96年にSolarstationで、98年には『イエスのビデオ』で、続けて同賞及びクルト・ラスヴィッツ賞を受賞。また、クルト・ラスヴィッツ賞は、2001年に発表したQuestでも受賞しており、もはや常連の感もある。本書は、米、英、仏、伊など7カ国で翻訳されるなど、高い評価を受け、アメリカではビデオ化もされた
平井吉夫[ヒライヨシオ]
1939年生、早稲田大学文学部卒、ドイツ語翻訳家
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感想・レビュー
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JACK
21
☆ 2000年前の何かを写したはずのビデオカメラを求め、命懸けの冒険を続けるスティーブン。メディア王カウンはバチカンにビデオを売りつけようと画策するが、そこには手段を選ばない異端審問官が迫っていた。カメラが見つかってからも物語は二転三転。「彼」の映像が観た人の人生を変える描写には惹き込まれました。信仰心を持たない私でも神を信じてしまいそうです。読んでいて鳥肌が立つ物語でした。サスペンスやSF好きなら読むべき。この作者の他の物語を読みたいが、邦訳は他に1冊しかない。もったいない話です。2019/06/07
k16
15
ビデオの存在が明らかになり手に入れるための追跡劇。 ビデオには何が映っているのか、それを観た人間はどうなるのか。 なるほどなの結末、ミステリアスなその後の物語と面白かった。2024/08/03
ろびん
2
やはり理解出来ない感覚だ……。2019/11/18
天晴草紙
2
とんでもSFなのだが、キリスト信者にとって生キリストは必要なのか否かという命題がそれなりによく考えられていて楽しめた。2012/11/30
若獅子
2
タイトルがあれなんでどうかなと思ったけど意外に面白かった。2011/12/19