内容説明
イスラエルの遺跡発掘に参加した学生スティーブンは、一体の人骨と副葬品の布袋を発見した。袋の中にはビデオカメラの説明書が…人骨はたしかに2000年前のものだったが、現代医学の治療跡があった。この人物は過去へ片道の時間旅行をしたのか?ではカメラを見つければ、驚異の映像がそこに?メディア王は映像を独占すべく私兵を投入し、一方バチカンの秘密部隊が現われ、発見者スティーブンとの壮絶な三つ巴戦に!クルト・ラスヴィッツ賞受賞作。
著者等紹介
エシュバッハ,アンドレアス[エシュバッハ,アンドレアス][Eschbach,Andreas]
1959年、ドイツのウルム生まれ。シュトゥットガルト大学航空宇宙工学科卒。コンピュータ・コンサルタント会社の経営を経て、96年から専業作家に。デビュー作Die Haarteppichkn¨upfer(95年)は、ドイツSF賞を受賞。SFと冒険小説をこれまでにない壮大なスケールで融合させた作家として、ドイツ文学界の絶賛を受けた。その後も、96年にSolarstationで、98年には『イエスのビデオ』で、続けて同賞及びクルト・ラスヴィッツ賞を受賞。また、クルト・ラスヴィッツ賞は、2001年に発表したQuestでも受賞しており、もはや常連の感もある。本書は、米、英、仏、伊など7カ国で翻訳されるなど、高い評価を受け、アメリカではビデオ化もされた
平井吉夫[ヒライヨシオ]
1939年生、早稲田大学文学部卒、ドイツ語翻訳家
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
JACK
22
☆ イスラエルの遺跡発掘で発見された人骨と麻袋。人骨は2000年前のもので、現代医学による歯の治療痕があった。そして、麻袋の中にはまだ発売されていないビデオカメラの取扱説明書。彼は2000年前への時間旅行者なのか。そして、ビデオカメラ本体はどこにあり、何が写っているのか。大富豪のメディア王カウン、タイムトラベル作品を数多く書いたSF作家アイゼンハルト、手柄が欲しい考古学教授ウィルフォード、考古学の学生スティーブン、そしてバチカンの教皇。様々な思惑が入り乱れ、タイムパラドックスも絡む物語。想像以上に面白い。2019/05/31
k16
15
着想がよいです。 イスラエルで2000年前の遺跡発掘してると歯に治療痕のある人骨と発売前のビデオカメラの取説が発見される。 とすると近未来からの時間旅行者がイエスを撮影したカメラもあるのではないかと。 本巻ではカメラ発見に至らず。 カメラは存在し、何を映すのか次巻へ続く。2024/07/20
ろびん
2
キリスト教が身近に無いから、どれ程の価値なのか、なかなか想像がつかないな。2019/11/17
アヴィ
1
歴史的に関わりの深いドイツだが、こと文芸に関しては他のヨーロッパ諸国と大差ない紹介量で、ことにsfの翻訳は少ないイメージがある。本作もあまり高い評価を受けていないが、充分良質の時間sfである。キリスト教圏の作家がどうイエスを描くのか、アインシュタインを生んだ国のsf作家はどんな物理的解釈で時間sfを描くのか、興味は尽きない。そして、ビデオといえばやはりEU圏内でもSONYなんだなと思うのと、実際に外国から問い合わせがあった場合、果たして作中のような対応を日本の家電メーカーはするのかなど気になるが、下巻へ2024/08/29
むっち
1
気になった作家連続読書シリーズ、パーフェクトコピーにつづき、こちらもけっこう、面白く読み進めて、下巻に行こうと思ったらけど、人気本が図書館から貸し出しを受けたので、ちょっと前後して読むことになりそう。設定は面白そうだが、その設定自体をみらいから過去にタイムトラベルした痕跡を現在の人が見つけるというあるといえばあるが、それが宗教的な意味を持つとなるとという展開。なかなか読ませるね。謎解きは下巻に続く。2022/05/18